相模原を活動拠点とするNPO法人「インドシナ難民の明日を考える会」(永瀬一哉代表・64)が昨年12月、外務大臣表彰を受賞した。難民の生活支援や難民の本国への支援など30年以上にわたる活動が評価された。
30年以上
外務大臣表彰は諸外国との友好親善関係の増進に対し、顕著な功績があった個人、団体を表彰するもの。今回、65団体が受賞した。
同NPOの会員は20人強。1990年に設立し30年以上、国内のインドシナ難民の支援や、カンボジア本国への学校や井戸の寄付、医療支援などを行っている。
インドシナは、カンボジア、ベトナム、ラオスを総称したもの。これらの国が1975年に社会主義に移行したことで、迫害を恐れた人たちが国外に脱出したことによって難民が発生した。日本では79年から大和市など3カ所に日本語教育や職業紹介などをする定住促進の施設が設けられ、難民を受け入れた。
公営住宅があり、就労先としての工場があるなどの要件を満たしているため、同市に隣接する相模原市内に暮らす移民も多い。永瀬さんが相模原弥栄高校で教諭を務めていることが、彼らと出会ったきっかけだった。
「ここまでこられた」
今回の受賞について永瀬さんは「草の根の活動だが、ここまでやってこられたんだな」と感慨深そうに話した。「当初は難民の人が日本でもやっていけるように支援していた。それから30年が経ち、今では難民の人たちが本国の応援をしている」と活動の発展について説明した。永瀬さんは、2019年には日本人として初となるカンボジア情報省のアドバイザー(顧問)に任命されている。
新型コロナウイルスの影響で永瀬さん自身の目で確認できていないが、会では昨年、資金を募って同国に5施設目となる小学校の再建を果たした。永瀬さんは「相模原でも多くの人に知ってもらい、ご支援いただければ幸いです」と話した。
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