今までお世話になった地元の病院に対して、地域住民主導での”恩返し”が叶った。緑区橋本地区の有志団体らで立ち上げた「相模原市緑区地域医療を支える会」(江成藤吉郎代表)は、コロナ禍で奮闘する相模原協同病院(緑区橋本台/井關治和病院長)を支援するため、昨年11月から約2カ月間、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディングなどを実施。今月に入り集計業務が完了し、目標額1500万円の倍以上である3706万2499円が集まった。
目標額の2倍
約1100人の職員を擁し、区内唯一の新型コロナ対策「神奈川モデル」の重点医療機関として最前線で地域医療を支えてきた同院。市内の感染者が増え始め、昼夜問わず対応を迫られるも、コロナの影響で外来患者が激減。職員への賞与にも影響が及ぶ状況が余儀なくされた。
そんな同院の運営を支援するため、昨年7月に「相模原市緑区地域医療を支える会」が発足。会には相模原橋本ロータリークラブや橋本七夕まつり実行委員会、橋本商店街協同組合、相原二本松商店街など地元の有志8団体が名を連ねている。
今回採用された方法は、コロナ禍であることやより広範囲から支援を得るため、インターネット上で寄付金を募るクラウドファンディング形式。11月2日から呼びかけを開始し、アリオ橋本や橋本駅での募金活動も並行して行った。同月23日には目標である1500万円に早々に到達。12月8日には第2目標である2020万円を達成し、募金終了期日として設定した同月25日には3千万円を大きく超え、結果的に3706万2499円が集まった。寄付者は合計1553人(匿名希望者含む)。
当初の目標額の2倍以上集まったことについて、江成代表は「開始1カ月で目標額に到達し、更に伸びるだろうと予想していたが、まさかここまでとは思わず驚いている。支援者の人数は、同病院に感謝をしている人。何らかの形で恩返しがしたい人がこんなにいるのかと改めて思った」と話している。
集まった寄付金は、手数料などを除き病院スタッフ全員へ1人1万円ずつ充当され、過剰分である約2200万円は同院のコロナ対策費用として使われる予定だ。
応援コメントも
同会が今回の事業に使用したクラファンサイト「READY FOR」には、応援コメントも700件以上集まった。
コメントには「少しでも役に立てば嬉しい」「協同病院のお陰で安心して暮らしている。最前線で戦う皆様に感謝の気持ちで一杯」「家族がお世話になった。当時は言葉でのお礼しかできなかったが、今回ほんのわずかだが支援の気持ちを贈らせてもらう」など支援者それぞれの思いが並ぶ。
井關病院長は「1年前から続いている新型コロナとの長い闘いのなかで、少なからず不安を感じる職員もいたが、皆様のおかげで全職員の士気が高まったことを心より感謝する」と謝意を示し、これからも地域の病院として最前線での医療活動を誓った。
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