南区相武台団地内の商店街の一角に、4月1日、認知症対応型デイサービス「おとなり」が開所した。理学療法士が監修する訓練などのほか、通所する人の「得意」や「好き」を生かして、地域課題の解決に取り組んでいくことが特徴となる。施設管理者の能勢光さんは「認知症の人が輝ける場所をめざしていきたい」と話している。
「おとなり」は株式会社ファイブスター(千代田)が運営。神奈川県住宅供給公社の「相武台団地商店街グリーンラウンジ・プロジェクト」にも参画している。認知症の診断を受けた人のみが通所でき、定員は8人。
同施設では「おとなり活動」と銘打ち、通所者の得意を生かして、相武台団地の困りごと解決にあたってもらう。例えば、大工経験があれば子ども向けのDIY教室を開いたり、農業経験があれば野菜作りの指導をしてもらう。足腰が丈夫な通所者には、ゴミ出しや電球交換などの要望に対応してもらうことも。施設での食事も、得意な通所者と一緒に作る。ただし、何をするかを決定するのは通所者自身。「してもらうだけの施設ではなく、通所者さんが自分らしさを発揮し、笑顔になれる場所にしていきたい」と能勢さんは話す。
能勢さんは祖父の認知症介護をきっかけに介護の道へ。26歳でデイサービスの管理者となり、以来、現在に至るまで在宅介護に携わってきた。認知症の人の外出の際に、介護者同伴で利用できるトイレを増やし、ステッカーと説明文を掲示する町田市でのプロジェクトではリーダーを務め、NHK厚生文化事業団主催の「認知症とともに生きるまち大賞」で特別賞を受賞している。認知症への理解を深めるため、相模原でも同プロジェクトを進めていく予定だ。
「地域交流の拠点として学生や商店街とも連携し、地域の課題解決に取り組みたい」と能勢さん。施設見学、家族・友人からの相談も随時受付中。問合せは【電話】046・205・4400へ。
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