5月5日の端午の節句を伝統の風習で祝おうと、氷川神社(清新)では鯉のぼり約50匹を掲揚している。地域住民らから集められた鯉のぼりを境内で揚げている神社は市内でも珍しい。市内で鯉のぼりにまつわる大きなイベントが終了する中、同社では伝統行事を今後も継承し、新型コロナウイルスの感染防止策を取りながら実施していきたい考えだ。
鯉のぼりは子どもの成長を願い、鯉に似せたのぼりを飾る風習として中国から伝わったとされ、5月5日のこどもの日に合わせて揚げるのが日本の習わしとなっている。
同社で鯉のぼりの掲揚が始まったのは10年ほど前。浅原寛宮司の長男の誕生が契機だった。鯉は初め5匹ほどだったが、子どもが巣立って鯉のぼりの行き場に困った家庭などから提供を受けながら次第に増え出し、現在では100匹以上が集まった。掲揚数を半分に規模縮小し、密集を避けるコロナ対策を取った上で18日から行っているが、早くも近隣住民を中心に参拝客が足を止めて撮影を楽しむ姿が見られる。
市内の鯉のぼり行事といえば、ゴールデンウィークの名物行事だった「泳げ鯉のぼり相模川」が有名だが、2019年の開催を最後に終了。それ以降、市内で鯉のぼりを楽しめる行事が減少していることも影響し、同社での掲揚を楽しみに訪れる参拝客が増加。今回も4月に入って掲揚に関する問い合わせが多く寄せられていた。
「コロナ退散」への願いも
伝統行事の継承はもとより、同社では鯉のぼりに「コロナ退散」への願いも込める。昨年のコロナ禍でも感染予防対策を行い実施に踏み切った経緯もあり、浅原宮司は「鯉のぼりが泳ぐ青空を眺めてもらい、心を和ませてほしい」と話す。併せて、「一日でも早くコロナが去り、日本が元気になるようこの相模原から応援したい」と思いをにじませた。
掲揚は5月9日(日)まで行われる。
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