清新の氷川神社(浅原寛宮司)は拝殿屋根を主体とする修復工事を4月26日から開始した。5月10日には解体作業を行う予定で、今年9月中の完成をめざす。
拝殿は1973年に建築されたが、2019年の台風19号の大雨で雨漏りや漏水が生じるようになり、放置しておくと腐朽が進む恐れがあったことや、経年劣化で傷んだ箇所が目立つ状況に陥っていた。そうした中、天皇陛下による大嘗祭をはじめとした即位に関わる式典が全て執り行われたのを受け、今回の修復工事を奉祝記念事業と位置づけ実施に踏み切った。同社で工事が行われるのは、地蔵に囲いが取り付けられた07年以来。
工事では拝殿の屋根柱の組み直し、屋根銅板の葺き替え、天井板・壁の漆喰建具の修復などを行う。屋根部分は一部を残して一新され、白壁も全て塗り替えられる。工事にあたっては住民らから寄付も募った。
同社は工事の実施に伴い、屋根の銅板の奉納も受け付けている。銅板(縦36cm×横20cm)に名前や商売繁盛、家内安全などの願い事などを記入し、それを屋根葺きに使用するもので、初穂料は1枚につき3000円。一人何枚でも奉納できる。申し込みの締め切りは6月末までを予定している。
浅原宮司は同社が相模原の開墾の礎を築いた地であり、入植者の心の拠り所として崇拝されてきた歴史を振り返った上で、「(修復工事によって)次の時代へとつなげられるようにしたい。ぜひ力添えをいただければ」と話す。
屋根の銅板奉納の申し込みおよび問い合わせは同社社務所【電話】042・771・6617へ。