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さがみはら中央区 スポーツ

公開日:2021.05.13

いま輝く
「不滅の拳」で頂点に挑む
市内在住  K─1ファイター 真美(まさみ)さん(31)

  • 試合中の真美さん。リングに上がると好戦的になるという=提供写真、2020年6月28日新宿FACE

  • 新衣装の真美さん。胸には亡くなった飼い猫のプリント

 格闘技を始めてわずか3年。練習拠点は相模原市体育館。経験も練習設備もライバルに劣るが、アマチュアでは無敗、プロでは11戦7勝4敗、ニュージャパンキックボクシング連盟日本ランキング ミネルヴァ ライトフライ級2位を持つ地元K―1ファイター。恩師と二人三脚でめざすのはK―1の「頂点」だ。



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 格闘技とは縁遠い生活が一変したのは27歳。父の知り合いの町田将栄さんが出場する試合を見に行ったのがきっかけだった。激しい打ち合いに魅了され、「自分もやりたい」という衝動が抑えきれなくなり、町田さんに弟子入り。最初はフィットネスジムに通う感覚だったが、すぐに自分も師匠である町田さんのようにリングに上がりたいという気持ちが強くなり、のめり込むように。



 2カ月目には町田さんに内緒で試合に参戦。望んで試合に参加したものの、直前まで恐怖で全身が震えた。試合が始まると無我夢中で、乱打戦となったが見事に初勝利。その瞬間「やめられない」と強い快感を覚えた。そこからは積極的に試合に出場。町田さんも「強くなりたい」という真美さんの思いをくんで、厳しいながらも親身になって練習に付き合い、実力を底上げしていった。「すごく才能があるわけじゃない」と謙そんしながらも誰よりも練習に励み、アマチュアで15戦15勝8KOという輝かしい戦績を残した。



市営の施設を練習拠点に



 2018年に町田さんが格闘技団体Team ImmotaLを市内で立ち上げ、たった1人の選手として所属。これまで練習していたジムから拠点を体育館など市営の施設に移した。リングやサンドバッグ、練習設備などは全くないが、自身の性格やスタイルを知り尽くした恩師のおかげで「できることは多い」という。練習相手は男性選手のみで、体格が上の相手にもパワー負けしない「拳」を手に入れた。



 同年10月にはプロとして後楽園ホールでデビュー。前に出るファイトスタイルからついた異名は「不滅の拳」。相手はランキング2位と格上だったが、徹底的に対策。バックハンドブローが得意な選手だったが、1度も受けず3―0のフルマークで判定勝利を収めた。「うれしかった。やってきた事が報われたと興奮した」



スランプ乗り越え



 そこから4連勝を重ねるが、突如としてスランプに陥る。「おごりが生まれて、町田さんの話が聞こえなくなった」と当時を振り返る。連敗続きで落ち込んでいたが、町田さんの「自分の話を聞いてほしい。それで負けたら、好きにしていい」と自分のことを誰よりも考えてくれている言葉に目が覚めた。格闘技を始めたころのように町田さんと歩みをそろえて試合に臨むと、見事勝利。続く試合も勝ち取り、自身のペースを取り戻した。



 2人で始まった団体の仲間も今では30人に。「応援してくれる人のためにもベルトを獲りたい」と意気込む。年内に行われるタイトルマッチに向け、まずは6月25日(金)に後楽園ホールで行われる試合に全力を注ぐ。「スランプも乗り越え、もっと強くなった。トーナメントを全勝してベルトを獲る」。「不滅の拳」で頂点を勝ち取る日はきっとそう遠くない。

 

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