今年に入って区内の交通事故の発生件数が異例のペースで増加している。相模原警察署によると、区内の人身交通事故の発生件数は過去5年間で減少傾向にあった。2016年から18年まで毎年1000件以上発生していたが、19年は852件、昨年はさらに843件と数を減らしていた。
2021年も半年を終えたが、現在の人身事故の発生件数は昨年と比べて増加の傾向に転じている。昨年上半期は366件、一方で今年上半期は442件で、前年比で76件と大幅に増えた。
同署交通第一課の松下和則課長は現状を新型コロナウイルス感染症の影響による交通量の変化と分析している。「昨年初頭から感染拡大し、学校の休校や外出の自粛もあった。昨年は町全体の交通量は減少していたが、今年はそれでも事故の発生は目立って多い」と松下課長。
死者数にも大きな変化が出ている。19年・20年ともに、6月末までの交通事故による死者数は1人だったが、今年はすでに3人。倍以上となっている。
松下課長は「ちょっとした不注意が事故の原因につながっている。今一度意識を変えて」と呼びかけている。
自転車が全体の約4割
発生する事故の中でも特に目立つのは自転車事故の多さだ。今年発生した442件の事故のうち、実に171件が自転車が関連する事故だった。これは全体に対して38・7%の割合。神奈川県全域の統計では全事故に対して自転車関連事故は約25%で、割合のみで見ると区は大幅に上回っている。「自転車関連事故が多い原因に、平坦な地形ということが挙げられる。他自治体と比べて自転車に乗る人が多い」と松下課長は推測。
事故が発生した時間帯を、自転車関連事故に絞って分析する(図)。圧倒的に午前8時から10時が多く、次いで午後4時から6時。朝夕の通勤・通学時に多いことがわかる。また、曜日ごとの統計だと月曜日が突出している。
加えて、自転車乗車中の事故で負傷した人を年齢ごとに分けると、全体の2割を10代が占めており、特に中学・高校生が多い。
松下課長は「平日の朝は心と時間に余裕を持って出発してもらいたい。また月曜日は注意力が散漫になりがち。中高生も交通ルールはしっかり守ってもらいたい」と指摘した。
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