新型コロナウイルス感染症の急激な拡大により神奈川県で発令された緊急事態宣言を受け、期間中の8月2日から31日までの間に予定されていた市立小中学校・義務教育学校の修学旅行が中止または延期されることになった。中学校は5月に予定していた旅行を延期しており、2度目の延期となる。対象となった中学校の多くは、「これまで準備を進めてきた生徒のことを思うと苦渋の決断」としている。
(取材は8月5日時点)
修学旅行の中止・延期の決定をめぐっては、県が緊急事態宣言の発令を国に要請することが判明した後、市教委が対応を協議。県の感染者も拡大の一途をたどっているほか、主な旅行先となる京都、奈良でも同じく感染が拡大している点を重く受け止め、宣言期間中に旅行を予定していた市立小中学校の対象校、義務教育学校に対して見合わせるよう通知していた。
中学校は2度目の延期となったが、学校側の判断によっては来年2月までの期間で実施の可否が検討される。5月の旅行が延期になった際、9月、10月、11月、来年2月に実施を決めた学校もある。ただ、市学校教育課の担当者は「9月以降は受験期に入るため、日程調整は難しいのではないか」と話す。
一方、小学校では8月末から9月中に実施する学校が多く、宣言期間中に実施を予定していたのは9校あった。全校で延期を検討している。
修学旅行の実施日程については、小中学校ともに5月から6月が一つの山場とされる。同課によると、5月の旅行の延期に伴い、8月が実施時期の候補に挙がったのは「宿泊施設が比較的空いていることや、夏休み中に実施することで授業日を確保しやすくなり日程が組みやすいため」と説明する。
すでに実施した学校もある。中学校では1校あり、東北方面で実施。小学校は23校が栃木・日光方面で行った。
宣言期間中での実施を中止にしたことについて、同課には実施を求める声が無かったとした一方で、7月に入ってコロナの拡大が影響してか、「自分の学校は旅行に行かせないでほしい」といった要望や問い合わせの声が数件寄せられている。今回、中止・延期の要請を受けた学校側からは「何とか行かせてあげたいが」と惜しむ声も聞かれたという。
同課の担当者は「一度延期して今回また延期や中止となり、子どもたちにとっては残念だと思うが、安全面を考慮しての判断となった」と話す。
8月25日の小中学校の始業式については、変更はないとしている。
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