神奈川県高校駅伝競走大会が11月7日、日産スタジアム発着コースで行われ、東海大相模高校(南区相南)の陸上部男子が25年ぶり2度目の優勝を果たし、12月26日(日)に京都市で開かれる全国大会への切符を手にした。女子も3位入賞を果たし、ともに11月20日(土)に宇都宮市で行われる関東大会に出場する。
日産スタジアムに付設するハーフマラソンコースで実施された同大会。男子は7区間42・7Kmで行われ、36チームがしのぎを削った。
レースを占う最長10Km、エース区間である1区を任されたのは主将の湯野川創選手(3年)。重圧を感じながらも「主将として、エースとしてやるしかない」と腹をくくった。監督からの指示は「2位で帰ってこい」。その言葉を良い方に覆し、9秒差のトップでタスキをつないだ。
エースの熱い走りにチームメートも奮起した。続く2区の草刈恭弓選手(3年)も区間1位を記録。3区の可児悠貴選手(2年)、4区の矢部慎之介選手(2年)も、強豪選手がひしめく中で先輩の作ったリードを死守した。5区の北山大翔選手(2年)、6区の瀬川航平選手(2年)も区間1位の快走を見せ、最終7区はアンカーの市川真優選手(3年)が、川崎市立橘に差を詰められながらも9秒差で逃げ切り、真っ先にゴールテープを切った。
ゼロからの一歩
東海大相模陸上部の長距離ブロックを率いるのは、就任3年目の両角駿監督(28)。高校駅伝の名門である長野県の佐久長聖高校を卒業後、父・両角速監督が率いる東海大学陸上部で院生コーチを務めた。その経験を生かし、2018年に東海大相模陸上部の外部コーチに就任。コーチの期間中に中学生の大会や記録会に足繁く通い、声をかけて回ったのが現在の3年生だ。
「土地勘もツテも全くないなかで、あいさつをするところからのスタート。そんな状況で私の言葉を信じて良くついてきてくれた」と感謝の言葉を口にする両角監督。翌19年の箱根駅伝で東海大学が初優勝したのも、「東海大で箱根を走りたい」と夢見る中学生が、東海大相模を選ぶ追い風になった。
練習は裏切らない
19年4月に同高に着任すると、その年の県高校駅伝競走大会は7位、2年目の昨年は1、2年生6人を起用しながら2位と躍進した。
そして今年。例年実施していた夏合宿は新型コロナの影響で中止となったが、その期間、部員らは自主練で汗を流した。各自が行った練習は、アプリを使用して全員で共有。それぞれが負けじと自らを高め合った結果、「こちらの想像の倍以上練習していた」と両角監督を驚かせた。秋に向けてピークを高め、最高の状態で今大会を迎えたことが栄冠に結実した。
25年ぶりに出場する全国大会。目標は16位以内を掲げた。全国でもエースを託される湯野川選手だが、実は両親も陸上選手で、『都大路』を走った経験を聞かされてきた。「ようやく同じ舞台に立てる。今は楽しみでしかない。気負い過ぎずに3年生全員でいい走りをして、後輩に強い背中を見せたい」と意気込んでいる。
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