相模原弥栄高校(五十里雅子校長)の合唱部は、8月に東京都で行われる「全国高等学校総合文化祭」(以下、総文祭)に神奈川県代表として出場する。昨年12月25日に行われた選考会「神奈川県高等学校合唱祭」(以下、県合唱祭)で最高賞にあたる「教育長賞」を受賞し、出場を決めた。3月30日には本村賢太郎市長に出場を報告するため市役所本庁舎を訪問して意気込みを述べた。(文中表記の学年は3月取材日時点)
同部が総文祭に出場するのは2019年以来2回目で、再編統合して相模原弥栄高校となってからは初めて。「技術面で上手いだけでなく、心が揺さぶられる音楽をめざしている」と話すのは部長の内田夏路(なつみ)さん(2年)。そのような活動方針の下、全国規模の大会への出場も目標の一つとしていた。
昨年12月の県合唱祭に向けては、コロナの影響で部活動に制限が設けられたり同部恒例のミュージカル公演に向けた準備に追われたりと、思うように練習時間を確保できない時もあったという。そんな中、「自分たちの音楽を全国に届けたい」一心で2年生を中心に昼休みに声をかけあい練習するなど、努力を積み重ねてきた。
そして迎えた県合唱祭本番。これまで参加したコンクールの審査や開催は映像によるものだったため、他校の演奏を聴いた経験が無かった生徒たちは「他の学校のレベルの高さに圧倒され不安になった」と振り返る。それでも総文祭への選出が決まった時には「うれしすぎて駅のホームで叫んでしまうほど」喜んだ。顧問の荒井康耀教諭は「報われて良かった」と笑顔で振り返る。
歌詞解釈に注力
総文祭の合唱部門は8月4日、東京都豊島区で開催される予定。演奏する曲目は県合唱祭でも披露した『ひとめぐり』。主人公の「私」が15歳の頃を振り返ると同時に、30・50年後の未来や生死について考えるストーリーで、「マイナスなことがあってもそれを含めて良い人生なんだと教えてくれる、勇気をもらえる曲」と内田さんは説明する。その思いを聴く人にも伝えようと、歌詞の解釈を深めるための時間を多く設け、部員同士で曲への認識を統一することに注力している。
昨年は2年生と1年生で演奏したこの曲。総文祭では今年度入部する新1年生がメンバーに加わる。3月30日に市役所を訪問した内田さんは「これまでたくさん歌って気が付いたことを共有して、新1年生にも曲の良さを伝えたい」と意気込みを話し、全国の舞台で「心揺さぶる合唱を披露する」と誓った。全国規模以上の文化芸術コンクールに出場する団体などに与えられる奨励金を本村市長から受け取った福原凜さん(2年)は、「新しく1年生を迎えて違う『ひとめぐり』になるかもしれないけれど、『神奈川の代表はこんな音楽をするんだ』と全国から集まった学校に披露できれば」と話した。荒井教諭は「メンバーは変わるが、変わらない『弥栄サウンド』を全国に響かせて」とエールを送った。
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