市内初、県内3校目となる公立中学校夜間学級(夜間中学)が4月23日、市立大野南中学校(南区文京)の分校として開校した。同中学校に隣接し、校舎内に同分校が設置される県立神奈川総合産業高校で同日、開校記念式典が行われ、生徒たちは期待を胸に学校生活をスタートさせた。
近隣市町も対象
夜間中学は、義務教育未修了や外国籍の人などの学び直しの場として公立中学校に付設される学級。国は全ての都道府県と政令指定都市に、少なくとも1校設置されるよう促進を図っている。
相模原市は2019年1月に独自の調査で夜間中学に対する一定の需要を確認し、市内への設置の準備を進めてきた。公立夜間中学は県内では横浜市と川崎市に1校ずつ設置されているが、いずれも対象は市内在住者か在勤者に限られている。大野南中学校分校は、相模原市のほか、県教育委員会と同市との協定を締結した14市町(4月現在)の在住者が入学できるのが大きな特徴だ。
大野南中学校分校には初年度1年13人、2年1人、3年4人の18人が入学した。年齢は10代から60代で、日本籍が6人、外国籍は中国、フィリピン、パキスタンなど6カ国12人。在住は市内が10人で、8人が座間、厚木など近隣5市に住む。生徒は午後4時から登校でき、4コマの授業を受け最終下校は9時30分。教職員は21人で教科担当のほか日本語指導講師や養護教諭、青少年教育カウンセラーも置かれる。
みんなで頑張る
開校式には、新入生をはじめ教職員、保護者、来賓、市関係者ら約110人が出席。本村賢太郎市長が「ご自身の一度の人生をしっかり謳歌して学び、友情を育み、素晴らしい学校生活を送っていただきたい」とあいさつした後、生徒を代表して登壇したタイ人の北パッカワディーさん(44)は「今日の入学式を楽しみにしていました。漢字を覚えて、いろいろな資格を取りたい」、中国人の王(おう)艶(えん)普(ふ)さん(51)は「日本語の勉強を頑張りたい。これからみんなで一緒にいろいろ頑張ります」とスピーチ。最後に2人で「どうぞよろしくお願いします」と声を合わせると、会場から大きな拍手が送られた。
式典では神奈川総合産業高校や大野南中学校の生徒有志が、会場を設営したり楽器の演奏を披露したりして、新入生の晴れ舞台に花を添えた。
大野南中学校との兼務となる宮坂賀則校長は、 「生徒の皆さんが、もう一度学びたいという気持ちで入学してくることが尊く、価値がある。それぞれの生徒の思いや願いを実現するため、一人一人への支援を大事にし、未来に向かってたくましく生き抜いていかれるよう育てていきたい」と述べた。
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