市道市役所前通(通称・市役所さくら通り)の沿道に植えられている樹齢約70年と見られる桜(ソメイヨシノ)の木が、8月10日の昼頃に倒れた。市によると原因は「根の腐朽」。この通りの桜は春になるとピンク色のトンネルを色鮮やかに形作り、市の景観形成にも重要な役割を果たしているが、この木も含めて高齢樹が大半。市は「計画的に植え替えを行いたい」と話している。
「ドサッという大きな音がした」。近隣で時計店を営む町田弘行さんは店を飛び出し、状況を把握するとすぐに市へ通報した。「周りに車や通行人がいなくて良かった。倒れた方向も幸いして、通行止めが一車線で済んだ」と振り返るとともに、「昨年、大きな枝が落ち、樹勢も衰えているようだった。それにしてもまさか倒れるとは」と驚いた表情を見せる。「ずっと見ていた木だからショックだった。おつかれさまと言いたい」
根腐れで弱化
市によると、倒れたのは高さ約10m、地上1・2mの高さで測った幹周りは3・3mの桜。町田さんの通報からおよそ3時間後に撤去された。この木を維持管理する市中央土木事務所は「強風が吹いたわけではなく大きな外的要因があった形跡もない。根が腐り、弱くなっていた」と話す。残存する根の部分の処理は現在検討中という。
横浜線踏切から横山二丁目交差点までの約1・6Kmの沿道に並ぶ約300本の桜並木は1952年に県から苗木を譲り受けて植えられたものとされ、現在では市の景観重要樹木にもなっており、市民に親しまれている。
一方で、50〜70年と言われるソメイヨシノの平均寿命を超える樹齢約70年の木がほとんどで、大部分が植え替えの時期に差し掛かっているという。市は現在、相模原消防署前を通る相模原横山線、弥栄周辺を走る南橋本青葉線、さくら通りの3つの桜並木について、1年目に初期、2年目に外観、3年目に精密と、3年周期で診断して木の健康状態を良いほうから順にA・B1・B2・Cの4段階に分類し、Cを「不健全」と判断して伐採や補植を行っている。
加えて、倒木などの危険性が高いと判断した場合には緊急で切るなどの対策を講じる。だが、「診断でも根腐れまでは把握しきれない」とし、「根が弱くなると葉付きが悪くなるものだが、今回はそういった様子も確認できなかった」と話す。倒木は市が「C予備軍」と位置付けている「B2」だったという。
年間20本植え替え
市は今後、年間に20本の桜を植え替える検討をしている。町田さんは「この通りの桜が一番きれいだと思っているので木がなくなるのはさみしいが、安全性を考えると早く植え替えてほしいとは思う」と話す。市は、「市民桜まつりなど、皆さんに愛されている桜並木ではあるが、安全には代えられない。切ったら植えるというサイクルで、木々の間隔や景観なども考慮しながら、計画的に植え替えを行っていきたい」と話している。
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