相模原商工会議所は10月18日、相模原市が計画している新たな給食センターの整備について要望書を提出した。従来の年度ごと、業務ごとに発注する公共事業ではなく、長期契約で一括して性能発注する「PFI方式」の活用を求めた。同日、杉岡芳樹会頭らが市役所を訪れ、本村賢太郎市長へ要望書を手渡した。
民間活用を
要望書では民間活力の活用と地域産業振興の観点から、市内で最低2カ所以上に設置が検討されている新たな給食センターについて、PFI方式による一括発注を用いた整備となること、また事業を行うSPC(特定目的会社)の組織などに関しては地元中小企業の参画が可能となることを求めた。
高品質実現
地方公共団体が施設を作り維持管理・運営を行う場合、従来の公共事業では設計、建設、維持管理、運営という各業務を分割し、年度ごとに発注する。一方、PFI手法は設計、建設、維持管理、運営の全ての業務を長期の契約として、また「性能を満たしていれば細かな手法は問わない」発注方式で委ねる。一括発注により「民間の力が生かされ、質の高い公共施設の整備が実現できる」と言われている。ただ、資金力などに勝る大手企業が有利であり中小、地元企業にとっては受注・参画が難しいともされている。
「大変心強い」
要望書を受け市は「中学校給食において全員喫食を実現するため、給食センターの設置を前向きに検討しており、そうした場合には、財政負担の軽減などの面で民間活力の活用は重要と考えている。今回、商工会議所から要望書という形で地元企業の参加意欲をお示しいただいたことについて、大変心強く感じている」とコメントを出した。