老朽化のため廃止に向けた調整が行われている市体育館(富士見)をめぐり、市は1月に施設利用団体を対象とした説明会を実施した。一部の利用団体からは存続を望む声も上がっており、現在も協議が続けられている。
耐震性など課題
60年以上の歴史を持つ同施設は、体育室のほか柔道場、弓道場なども有し、さまざまな競技の練習場所として市民に親しまれている。
同施設の廃止については著しい老朽化により耐震性などに課題があることを理由に、2021年に策定された「相模原市行財政構造改革プラン」および翌年の「相模原市公共施設マネジメント推進プラン・アクションプログラム」で、指定管理者更新のタイミングでの廃止に向けた取り組みを実施し、周辺施設などを活用して代替場所の確保に努めると位置付けられていた。現在指定管理を請け負っている「相模原市まち・みどり公社」との契約が満了する24年3月の廃止に向け、市スポーツ推進課はこれまで、老朽化部分の調査や各利用団体との協議などに取り組んできた。
延べ26団体参加
同課は、利用者に現状を伝え集まった意見を方針の決定に役立てるため、1月16日、25日、29日の3回にわたり利用団体向けの説明会を実施。延べ26団体・38人の利用者に対し、老朽化の状況や代替場所の候補について説明した。参加した利用者からは「なぜこれまで修繕をしてこなかったのか」といった疑問の声や「古くても構わないので存続させてほしい」と廃止に反対する声が上がった一方、「安全を確保するためにやむを得ない」と理解を示す声も聞かれたという。同課では「市の財政状況が緊迫している中でも、スポーツができる環境を充実させられるよう調整していく。方針が決定次第、速やかに利用者の皆さまに公表する」とした。
市へ要望書
16日の説明会に参加した市弓道協会は、同施設内の弓道場を1966年の発足当時から活動拠点とし、管理にも携わってきた。現在も、約300人の会員のうち8割が練習のため利用している。廃止については、老朽化による危険性に理解を示しながらも「協会存続の危機」とし、代替場所の確保や他施設の利用枠拡大を要望。独自に対策委員会を設置し、市に対する訴えを続けている。
同協会は21年に弓道場を含む体育館閉鎖の方向性が示されると、翌年には複数回にわたって同課と協議。代替場所として、横山公園内駐車場の敷地を利用した新たな道場の建設に向けた調査を依頼した。また同年11月に市議会に陳情書を、今年2月には市長と市議会に要望書を提出して協会にとっての道場の必要性を訴えたが、現在も新たな道場の建設を含め市の方針が定まっていないことから、早急な対応を求めている。小川弘事務局長は「廃止による影響は計り知れない。今後も協会として活動を続けるため、できる限りのことをしていく」と話した。
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