総務省が1月30日に発表した住民基本台帳に基づく2022年の人口移動報告で、転入者が転出者を上回る「転入超過数」が、相模原市は全国12位となる3110人だった。前年比では727人減少した。相模原市は15〜19歳、30〜34歳、80歳以上の転入超過、25〜29歳の転出超過が目立つ結果となった。
22年の全国的な傾向として顕著なのが、東京23区の転入超過数の増加。21年は1万4828人減だったが、22年は2万1420人増となり、前年比では3万6248人増加した。この都心回帰の影響を受け、東京23区を含めた転入超過数上位10の市町村で、7自治体が前年より減少している。
相模原市の22年転入超過数は、前年比727人減の3110人。全国1719市町村の中で12位、県内では横浜市、藤沢市に次いで3番目に多い。各区別では、中央区は1482人、南区は1471人、緑区は157人の転入超過だった。
相模原市との人口の出入りの多い市町村の中では、東京23区から市内への転入超過が21年は440人だったのに対し、22年は逆に118人の転出超過となった。
年少世代は前年倍増
年代別に見ると、0歳〜14歳までの年少人口は、21年の92人から191人と転入超過数が倍増している。市SDGs・シビックプライド推進担当部長の佐々木純司氏は「子育て世代に選ばれてうれしい。コロナ禍から日常が戻った際も選ばれるよう、引き続き子育て施策に力を入れていきたい」と話す。また、全世代の中で15〜19歳が647人、20〜24歳が634人と転入超過数が多く、これは市内や近隣に大学が多いことが影響しており、その傾向はここ10数年続いているという。
就職後の移住に課題
生産年齢といわれる15歳〜64歳の転入超過数は前年比800人減ったものの、2326人で全国順位は2年連続12位。年代別では、20〜29歳が21年の1261人から744人となり、全体の転入超過数減に影響した。中でも、25歳から29歳の大学卒業後の世代が昨年は501人だったが、今年は110人と前年と比べると減った。佐々木氏は「就職後の居住先として選ばれていない」と課題を挙げる。市内の不動産業者は「入居者専用の安価な食堂や家賃補助など住み続けてもらうために独自に施策を講じる不動産屋もある。『〇〇があるから相模原に住みたい』という要素があれば定住傾向は微増でも続くと思う」と分析する。
一方、コロナ禍以前の18年と比べると、住宅購入世代といえる30〜39歳が296人の転出超過からプラスに転じ、21年は638人、22年は540人の転入超過に。賃貸マンション建設を主とする市内企業は「1LDK〜2LDKなどの需要が多く、入居者も20〜30代の夫婦が多い。相模原市のみならず周辺市でも同様。共働きが多くリモート仕事も多くなっていることから通勤性よりも住みやすさを求める傾向を強く感じる」と話す。
高齢者転入 高水準を維持
高齢者といわれる65歳以上の転入超過数は、前年よりも26人減り、593人となった。全国では3位から5位に順位を落としたが、引き続き上位を維持している。この超過数は21年・22年とともに県内では最も多い結果となっている。
中でも目立つのが80歳以上の増加だ。18年230人、21年385人、22年353人と、コロナ禍以前から現在まで、高い水準で転入超過が続いている。
佐々木氏は「相模原が高齢者世代に選ばれているのはうれしいこと。さまざまな要因があると思うが、高齢者福祉施設が充実しているのが増加の一因」と分析する。
この結果を受け、東淵野辺にある特別養護老人ホームは「息子や娘が住んでいる相模原の施設に入りたいという希望をよく耳にする。相模原は、特養や特養以外の施設も多く、都心に比較的近くて便も良く、自然に恵まれているので、転入者や入所希望者が増えているのでは」と話した。
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