反差別を目的とした条例制定を目指し、審議を続けてきた相模原市人権施策審議会(矢嶋里絵会長)は2月23日の審議会で、(仮称)相模原市人権尊重のまちづくり条例の制定について、答申案をまとめた。
23年度中制定へ
条例については2019年11月に本村賢太郎市長が審議会に諮問。新型コロナウイルスの感染拡大や慎重審議の影響などもあり、議論は長期化。審議会の開催も21回に上った。
今後は矢嶋会長と事務局の市人権・男女共同参画課で最終調整した後、本村市長に提出される。答申を受けた後、市は条例案を策定。市民意見(パブリックコメント)を募集し、意見の反映などを諮った後、市議会に上程する。
1月の記者会見で本村市長は「(4月の市長選で)私が再選されれば、23年度のどこかのタイミングで条例提案をしていきたい」と語っており、遅くとも24年3月までには条例が制定される見込み。答申案には人種、民族、国籍、性別、性的指向、性自認、障害、疾病、出身などを理由に不当な差別的取り扱いを禁じることが示された。不当な差別的言動などの事案が発生した場合は言動の禁止や勧告・命令ができ、悪質な場合は刑事罰を科すことができる。
一方で被害者の支援・救済を目的に第三者機関(人権委員会)を設置することも盛り込まれた。
「画期的」「条例化を」
また津久井やまゆり園事件が発生した地であることにも触れ、条例制定は、共生社会の実現を着実に前進させるため、様々な事情を考慮した上での要請であるとした。
答申案がまとまったことを受け、反差別相模原市民ネットワークの田中俊策事務局長は「ヘイトスピーチを含むあらゆる差別をなくすため、具体的で実効性のある対策を考えた素晴らしい内容。次期市長には答申案に正面から向き合って条例化を進めることを願う」と語った。
また津久井やまゆり園事件を考え続ける会の世話人・杉浦幹さんも「『障害』を差別禁止の事由に盛り込んだのは、津久井やまゆり園事件が起きた相模原市ならではの画期的内容。尊い犠牲を糧としたことに拍手を送りたい。条例が実現すれば、相模原市を全国に誇れる条例になると思う」と期待を寄せた。
|
<PR>
さがみはら中央区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|