新型コロナウイルス感染防止策として2020年から国が推奨してきた「マスクの着用」が3月13日以降、「個人判断」となる。それに先立ち同月上旬にあった県内高校の卒業式は「卒業生は任意」とされたが、実際の着用率は高かったという。学校でも「マスク生活」がひと区切りを迎える中、「3年間」「今後」などについて相模原市教育委員会(市教委)に話を聞いた=関連記事あり。
13日から「個人判断」「発達心配」「安心して生活」
厚生労働省は3月13日以降のマスク着用について「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねる」としている(同省HPより)。
市教委は、これまで学校でのマスクについて国からの通知を踏まえ、基本的な感染症対策として着用を指導してきた。また、さまざまな原因で着用が困難な児童、生徒については配慮が必要であり、着用の有無によって差別や偏見がないよう、適切な指導を依頼してきたという。
一方で、この3年の間、市教委には保護者らから「着用反対」「着用賛成」について、さまざまな意見が寄せられた。
反対の意見については「自分の意思で自由に着脱ができるようにしてほしい」「学校からきちんと説明がなければ友だちの目があり外すことができない」「子どもの発達が心配。表情が見えない状態はよくないのでは」など。賛成意見では、「着用しなくなることで感染や感染に伴う後遺症などのリスクも高まること、罹患による欠席などで学習機会を損失することを懸念する」「(昨年11月頃)感染者が増えている時に、しなくていいというのはおかしい。きちんと着けることを徹底してほしい」「着用することで安心して集団生活に臨むことができる児童や生徒がいることも理解してほしい」など。児童と保護者が市役所を訪れ、直接意見を訴えることもあった。
基本「外す」
今後の卒業式について市教委は文部科学省からの通知を踏まえ、各学校に対し「児童生徒(在校生を含む)および教職員については、式全体を通じてマスクを外すことを基本とし、歌唱や呼びかけを実施する際には、マスクの着用などの対策を講じて実施。また、来賓や保護者などの出席者については、マスクの着用を基本とする旨を通知した」としている。あわせて、さまざまな事情によりマスクの着用を希望する、マスクを着用できない児童生徒もいることなどから、「マスクの着脱を強いることのないように」と依頼をしたという。卒業式を控えたある生徒は、「確かに着けていたほうが安心で安全なのかもしれないが、その点について、科学的根拠などがもっとわかると良かった」などと意見を述べた。
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