相模原市は、市民と地域の店舗や団体とのつながりの醸成などを目的に、5月から「まちのコイン」事業を始動する。
特別な体験を提供
同事業は、県がSDGsの達成を目指して推進している「SDGsつながりポイント事業」として行われるもので、株式会社カヤックが提供する電子地域通貨サービス。スマートフォンアプリを使って、誰でも無料で利用することができる。
ユーザーは「ごみ拾いに参加する」「注文したメニューを完食する」など、加盟スポットが設定するミッションをクリアすると「まちのコイン」を受け取れる。獲得したコインは加盟スポットで「傷ものの野菜と交換」「店長に愚痴を聞いてもらう」などの個性的な体験と交換が可能だ。
市で使われる通貨の名称は「すもー」で、市みんなのSDGs推進課は由来について「相模原市に『住もう』という呼びかけと、『相模』という文字が『相撲』に似ていることから通貨を『すもー』と名付けた」と説明。5月下旬の運用開始に向け、現在加盟スポットを募集している。加盟の要件は「市内に拠点がある店舗や事業者」または「市内で活動する団体」となっている。
大野南中生が提言
同課によれば、事業を導入するきっかけの1つとなったのは大野南中学校(南区)の生徒の提言。同校2年生の生徒らは総合的な学習の時間を使い、地域活性化に役立つ取り組みについてグループに分かれて企画を発表した。その中で「まちのコイン」の活用を提案し、クラス代表に選ばれた藤田悠花さんらのグループは同課に連絡し、「市の魅力の周知や交流のきっかけに」とプレゼンテーション。同課は他自治体の取り組みなども参考にして検討を重ね、運用に踏み切った。藤田さんは「市に住んでいても知らないことばかり。普段は関わらないような人と関わるきっかけになれば」と期待を込めた。
同課は「『つながり」を生み出すとともに、一人ひとりがSDGsを『自分ごと化』できる効果的なツール。5月の運用開始に向けて多くの団体などにスポットとなっていただき、多くの皆さまに活用してもらえたら」と呼びかけた。
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