中央区役所主催「中央区さくら文学賞」で大賞を受賞した 青井 月さん(本名:板橋恵子) 星が丘在住 61歳
新しい世界へ 思い切って
○…初めて書いた小説『妙見橋で会いましょう』が受賞作となった。曽祖母の恋日記を発見した主人公が幻の「相武電気鉄道」をきっかけに、彼女の思い出の地を訪れる--。物語の舞台は、自分自身が大好きな市役所さくら通りをはじめ、身近な場所ばかり。今、自らの手を離れ、公開されている作品について、「少し恥ずかしいけれど、地元の人たちに読んでほしい」。
○…長く医療事務としてクリニックで働いていたが、年齢を重ねて「毎日家と会社の往復」で生活が単調になってきた。昨年4月、「若い時できなかったこと、好きなことをやってみよう」と一念発起。退職し、50歳からでも通えるという東京都立大の「プレミアム・カレッジ」に入学した。ゼミの論文課題に取り組む中で知った「相武電気鉄道」に惹かれ、たまたま見つけた文学賞の募集に「書いてみようかな」と思い立った。夢中で書き始め、1週間で完成させた。「神が降りてきたみたいに、どんどん絵が浮かんできた。地元のことを書くのは楽しかった」と振り返る。
○…大学では慣れないパソコンや論文の執筆に挑戦。3年前には、子どもの頃からやりたかったピアノも始めた。海外の「空港ピアノ」動画に衝撃を受け、その足で音楽教室へ向かった。忙しく「なかなか上達しない」というが、「いつかストリートピアノで弾きたい」と夢を膨らませる。
○…相模原で生まれ育ったが、それでも大学入学や受賞で新たな発見や出会いが数多くあった。現在は相模原にゆかりのある絶滅危惧種の植物「ミシマサイコ」の論文執筆に奮闘中。「自然科学は苦手だけど、また新しい勉強」とにっこり。これからも新しい世界に思い切って飛び込んでいく。
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