リニア中央新幹線の開業へ向け、まちづくりを考えるフォーラム『リニア中間駅の相模原は埋もれてしまうのか? どうする相模原!』が5月25日、杜のホールはしもと(緑区)で開催された。主催は、市内経済人や市民から構成されるリニア経済未来都市実現の会(山口さゆみ代表)。
当日は、元地方創生大臣で、超電導リニア鉄道に関する特別委員会委員長代理などを務める参議院議員の片山さつき氏が基調講演した。片山氏は、「リニアが与えるインパクト、経済効果は甚大で、新大阪の延伸をした時点で年間で7100億円と言われていた。移動時間は短縮され、出張費も効率化され、生産コストも低下することで、消費も伸びる。神奈川県の経済波及効果は、県が以前に出したデータで年間3200億円。その中で相模原が一番大きいと思われる」と説明。さらに、「(神奈川県において)長らく新幹線と言えば新横浜だったのが、『リニアと言えば橋本』になる。これはすごいメリット。それでいかなるまちをつくるのか。予算が一番難しいが、予算さえあれば、ほかは全部一致しているというものが逆にできれば、いつかは必ず実現できる」とし、ロボットやデジタル産業、防災、観光、サイエンスシティなど、さまざまな切り口でまちづくりについて意見を述べるとともに、期待を口にした。
「確かな相模原を」
フォーラムの冒頭には、本村賢太郎市長が講演。整備が行われる神奈川県駅(仮称)の駅前広場が「狭い」という意見に対して、地下の開発に触れ「地下のまちづくりは非常に大きなインパクトがあると思っている」と言及。さらに、コンベンションホール、ホテル誘致などの可能性についても触れた。新設道路として計画にある大西大通り線については「理解をいただけていない点はある。橋本がどんなまちになるのか示されていない中で賛同しづらい、家を手放して次の場所に移るのは厳しいという声も頂いている。私たちがまちづくりの絵を示せるところまでできていないのが課題の1つ。対話を進めていきたい」と話した。最後に「新横浜駅も20〜30年かかって今がある。私たちが次世代に確かな相模原を作っていくためにはみんなで意見を出し合って国、県に伝えていかないといけない」とまとめた。
講演後には、山口代表から本村市長に同会がまとめた提言書が手渡された。提言書の主な内容は3点―【1】地下開発(地下駐車場の建設、地下交通広場の建設など)、【2】施設開発(大型コンベンション施設の誘致、有名リゾート宿泊施設の誘致など)、【3】リニア一部早期開通。山口代表は「地域の経済人が地域の問題点を考え、その解決策を市政と共に実行していく必要がある」と話した。
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