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市消防局実証実験 スマホ映像で状況把握 119通報者に指示も

教育

公開:2023年8月24日

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開始に先立ち行われた訓練(写真は消防局提供)
開始に先立ち行われた訓練(写真は消防局提供)

 映像を確認しながら119番通報者に的確な応急手当の指導を--。相模原市消防局は7月24日、北里大学病院と民間企業2社と連携し、リアルタイム映像伝送システムを活用した実証実験を開始した。通報者のスマホなどを利用して火災や救急などの現場の映像を消防や医療機関が共有し、迅速で的確な対応につなげるのが目的。

 リアルタイム映像伝送システムとは、スマートフォンやタブレット端末を利用して、火災や救急などの現場のリアルタイムの映像を消防の通信指令室や救急隊、医療機関が共有できるシステム。東京都や甲府市などでも同様の映像通報システムが活用され、全国の自治体で導入が進んでいる。

2つの実証実験

 今回、市消防局が検証するのは▽119番通報を受けた際に現場の映像を通報者のスマートフォン等を通じて消防や医療機関と共有し、応急手当の指導をする実験「事故等発生現場での映像の共有」▽救急搬送中に救急隊員が医師と現状を共有し、指示を受ける実験「救急搬送時の患者の容体の共有」--の2つ。

 「映像の共有」では、通報者が言葉で説明することが難しい怪我の程度を救急隊や医療従事者が映像で確認することで、的確な応急処置の指導ができるようになることが期待されている。119番通報と併用して使用され、消防が通報者に対して、ショートメッセージで映像を共有するためのURLを送信するので、通報者側が事前準備をする必要もない。ただ、スマートフォンやタブレット端末の操作が必要となる点や通信費を通報者側が負担する点が懸念されている。

 「容体の共有」で使用されるのは凸版印刷株式会社が開発したシステム。本人確認には、医療従事者にのみ渡される電子的な証明書を読み込むことで、現場からの映像にアクセスできるようにする仕組みを導入する。

 どちらの実験でもセキュリティが確保され、実験以外で情報は利用されない。

 両システムが使用される基準はドクターカーと同様。ドクターカーは現場での処置が必要と判断された場合に、消防からの要請で医師や看護師を乗せ現場へ運ぶ緊急自動車で、 主に落下や挟まれなどの重傷事案で運用されている。

 7月24日から8月17日までの119番通報の件数は4741件で、そのうち「映像の共有」は1件、「容体の共有」は1件で合計2件が実証実験の対象となった。

 市消防局救急課の戎美智緒さんは「まだまだ実践例は少ないですが、引続き実証実験に協力し、実績数を積み上げていく中で有効性を確認したい」と話した。

 同課の永瀬豊さんは「映像伝送の協力をお願いした時には、早期の医療介入のために非常に重要なので、快く協力していただきたい 」と呼びかけている。

 実証実験の期間は7月24日から来年3月下旬まで。終了時点での結果により、本格的に導入するか、実験を続けるかを判断するとしている。

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