ベトナム戦争末期の1972年に相模原・横浜で起こった反戦デモを描いたドキュメンタリー映画『戦車闘争』の続編が完成し、相模原市立産業会館(中央)で12月1日(金)・2日(土)に無料で上映される。上映会の主催は相模原地方自治研究センター。共催は相模原市職員労働組合。
「戦車闘争を相模原の歴史として捉え直したい。相模原市民で当時を知る人は本当に少ない。神奈川は『沖縄に次ぐ第2の基地県』だということを考えると、相模原で上映することは大きな意義がある」と話すのは映画プロデューサーとして数々の作品を手掛けてきた小池和洋さん。
この作品『続・戦車闘争』は2020年に公開され、大きな反響を呼んだドキュメンタリー映画『戦車闘争』の続編。前作でプロデューサーを務めた小池さんが今回は監督も務めた。
報道の視点から
前作ではデモ参加者や機動隊、戦車を輸送した運送会社の職員といった当事者のほか、専門家の証言によって当時の様子を伝えた。続編では新聞記者やカメラマンなどマスコミ関係者からの声を集め、生々しい証言や写真、秘蔵映像で「戦車闘争」を辿っている。
作中ではジャーナリストの斎藤貴男さんや劇作家・演出家の鴻上尚史さんのインタビューも敢行し、闘争の歴史的意義や背景にも迫り、報道の在り方やその後の影響まで多角的に炙り出している。
小池さんは「ロシアのウクライナ侵攻の解決の糸口も見えないまま、次にイスラエルとハマスが始まった。そうやってウクライナの話題も報じられなくなった。現地の人たちにとって非日常が続いているにもかかわらず、報道が少なくなって他人事へと変わっていく」と指摘し、「正義の戦争なんてあるのか。殺し合いを聖戦なんていうのか。ものごとを美しく捉えようという動きに抵抗したかった。映画の中には無残な場面もある。これが戦争の現実なんだということを伝えたかった」と話す。
12月1日(金)は午後6時15分に上映開始(5時45分開場)。12月2日(土)は午後3時30分に上映開始(3時開場)。会場は両日とも相模原市立産業会館1階多目的ホール(中央区中央3の12の1)。参加費は無料。定員は両日とも200人で先着順(事前申込不要)。
主催する同センターは「平和が揺らいでいる今、戦車闘争の教訓が平和な暮らしと地域の発展をたぐり寄せる一助となることを願い、一人でも多くの人に鑑賞してほしいと企画した。ぜひこの機会に鑑賞していただきたい」などと来場を呼びかけている。
問い合わせは同センター【電話】042・752・4544へ。
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