相模原市の人口は転入者の増加が鈍化し、自然減の方が上回っている状態が顕著となっている。市の人口推計では2025年に人口のピークを迎えるとしているが、国勢調査を基に算出される推計人口ではすでにピークを過ぎて人口減にさしかかったとみられる。
総務省が1月30日に発表した住民基本台帳に基づく23年の人口移動報告では、相模原市は引き続き転入者が転出者を上回る「転入超過」を示した。「転入超過数」は全国1719市町村のうち11位の2321人。県内では横浜市、川崎市、茅ケ崎市、平塚市に次いで5番目に多いものの、前年比では789人減少した。
市政策課の担当者によると、「転入超過数は想定よりも大きく減少した」という。原因としては全国的に見られる都心回帰の影響が大きいとみられる。相模原市はコロナ禍で転入者数が増加傾向にあったが、23年は転出者数が前年よりも653人増加。政令市と東京23区の中で最も増加した。
中でも25〜29歳の世代が転入超過から転出超過に転じ、近隣の八王子市や町田市などへの転出が増えているという。全体としても、東京都と相模原市間の人口移動は22年には217人の転入超過だったが、23年は366人の転出超過になった。
市が昨年公表した20年の国勢調査に基づく将来人口推計では、相模原市の人口のピークは25年で72万8千人に達すると見込まれていたが、市が毎月発表している国勢調査を基に算出する推計人口は22年7月の72万6660人をピークに減少傾向がみられる。昨年2月に72万6千人を割り込み、昨年12月には72万5千人を割り込んだ。今年1月1日時点で72万4774人となり、同課の担当者は「推計よりも早めに山を迎えている可能性もある」との見解を示す。
同課の担当者は「市の魅力向上のため、引き続き子育て政策やシビックプライド向上への取り組み、中山間地域での雇用などに取り組んでいきたい」と話している。
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