市内の各家庭で眠っていた古い写真が一冊の本に--。かつての相模原市民の生活や街並みなどを記録した写真集『相模原市の100年』が3月28日に発刊される。市民から寄せられた思い出の情景600枚が収録され、後世に相模原の歴史を伝える貴重な資料となりそうだ。
『写真が語る〜相模原市の100年〜』を発行するのは新潟県長岡市の出版業、株式会社いき出版(佐々木高史代表取締役)。全国各地の写真集を手掛けており、神奈川県内では横浜市や川崎市、藤沢市などの写真集を発行し好評を博した。相模原市をテーマとした書籍は2015年に発行された『相模原市の昭和』に続く第2弾。
同社では今回の発行にあたり「コロナ禍を経て断捨離ブームに拍車がかかり、自宅に眠る貴重な写真が日の目を見ないまま処分されている。相模原市の生活感を伴う街の風景が失われつつある事に危機感を募らせていた」という。
積極的な市民の協力
今回の『相模原市の100年』の製作にあたって、昭和初期から平成初期までの写真の提供を市民に呼び掛けたところ、200人以上から協力が得られた。今回の写真集では600枚を厳選。例えば「多くの買い物客で賑わう西門商店街仲通りの様子」(昭和50年)や「鹿沼公園内の交通公園でゴーカートで遊ぶ子どもたちの様子」(昭和47年)、「数多くの銀行が立ち並ぶ相模大野駅前の様子」(昭和49年)などを掲載した。
相模原の歴史に詳しい専門家が監修を手掛け、地元の有識者らによる写真解説も加えた。また写真提供者から当時の様子の証言も得ることができたという。
同社の佐々木代表取締役は「手伝ってくれるという人がいっぱいいた。他の地域と違って相模原は協力してくれる人が多い。写真提供者からコメントをいただいたり、地元の詳しい先生に見ていただいたりと、写真だけでなく読んでも面白いものに仕上がったと思う」と話している。
本はA4判大型で全264ページ。販売価格は税込み9990円。事前予約制で限定2000部の予定。2月21日時点で1400部ほどの予約があり、同社では早めの予約を呼びかけている。
予約は現在、市内の各書店で受付中。取扱店や本に関する問い合わせは、いき出版(【電話】0258・89・6555)。