田名ひょうたん会の顧問を務める 小菅 孝一さん 田名在住 82歳
唯一無二のひょうたんに
○…「ひょうたんはどこから見ても丸い。心も丸く、穏やかに」。約40年間ひょうたんを作り続け、9年前に「田名ひょうたん会」を発足した。現在、会員は15人。種まきから手入れ、収穫、乾燥まで手間を惜しまずにひょうたんを育て、思い思いに加工する。月に2回、田名公民館に集まってランプやアクセサリーを制作するほか、秋には「田名文化祭」に出展。数年に一度のペースで相模田名民家資料館での展示会を開催し、こだわり抜いた作品を発表している。「みんな自由に、楽しく作っているよ」
○…ひょうたんの入念な管理は「好きじゃないとできない」。栽培中の地道な作業も苦にせず、「手間をかけて育てるのはもともと好き。『今日は何センチ伸びた』と観察するのが楽しい」と目を細める。ひょうたんのほかにもトマトやキュウリ、スイカといった野菜を育てており、会のメンバーと分け合って食べることも楽しみだ。
○…40年前、長野県にある妻の実家で床の間に置かれたひょうたんを見て「作ってみたい」と思い立った。個人制作を始めて10年が経った頃、大井町で開催されていた「全日本愛瓢(あいひょう)会」の展示に足を運ぶと質の高い作品の数々に感銘を受け、入会を決意。全国大会での入賞を繰り返し、現在は存命中の最高段位である「亀龍名人」に認定されている。作品を地元の「田名文化祭」へ出展している中、田名公民館文化部からの提案を受けて同会を立ち上げた。
○…「健康なうちはひょうたん作りを続けたい。会のみんなの顔を見るのが楽しい」と穏やかに笑う。加工の際は何度も色を重ね、丹精込めて唯一無二の作品に仕上げている。「高齢化で解散してしまうひょうたん会も多いけれど、頑張って存続していきたい」