相模原市は10月30日、公共工事の安全対策検討委員会の初会合を開いた。市内で9月に発生した下水道工事中の事故を受け、再発防止に向けた安全対策の検討を行う。初会合では有識者が事故発生時の気象情報を解説するなど、状況整理を行った。
同委員会は大学教授や気象台職員、日本下水道協会職員、市都市建設局局長で構成され、年内をめどに中間とりまとめを公表する。
市の担当者は「公共工事の安全対策を全般的に見直し、来年度の工事への反映を目指す」と話している。
9月に発生した事故では下水道管の耐震工事中、豪雨による増水で作業員2人が流されて死亡した。降雨を確認してからの避難では間に合わず、作業中止や避難をどこで判断するかといった安全対策の課題が浮き彫りになった。
この日の会合では横浜地方気象台の職員が事故発生時の気象情報を解説し、「今回のように積乱雲が急発達する事例では大雨注意報や警報による判断では間に合わない」などと話した。
日本下水道協会の職員からは、同協会のガイドラインが安全管理をどのように定めているかの説明があった。ガイドラインでは気象情報の把握や1カ月に半日以上の安全研修や訓練の実施などが定められている。
市は年内にあと2回ほど同委員会を開催することを検討している。