広島市被爆体験伝承者として11月24日に橋本公民館で講和に立つ 歌 玲子さん 南区東大沼在住 71歳
平和への思い、繋ぐ決意
○…「広島では8月6日は特別な日」。15歳で被爆した切明千枝子さんの体験を語り継ぐ。学校や広島平和記念資料館などでの講話活動の一方、現在も広島に通い、切明さんの思いを受け止める。戦後79年が経ち、自らの経験を語る証言者の高齢化が進む中、94歳になった切明さんの「伝えたい」という思いはさらに大きくなっていると感じる。「話を聞けるのは今しかない、しっかり聞いて伝えなければ」
○…広島県府中市に生まれ、長年小学校の教師として平和教育に尽力してきた。5年前に夫婦で相模原へ移住すると、広島とのあまりの違いに驚いた。「周りに戦争体験者や被爆者がいたり、学校に証言者が来たりすることが当たり前だったから」。そんな中、自宅に来た配達員から、自費で広島に通い伝承者養成研修を受けているという話を聞いた。「なんとなく退職しておしまいみたいに思ってしまっていた自分が恥ずかしかった」。翌年から約2年間、研修のため広島へ通った。
○…幼少期は「休み時間が終わったことに気づかずに夢中で遊んでいるようなマイペースな子どもだった」。考古学に興味を持ち、史学科だった学生時代には遺跡調査に参加したという一面も。最終的には教育実習の経験がきっかけになり、両親と同じ教師の道を選んだ。「なってみたらね、よかったなと思う。毎日が変化に富んでいて楽しかったな」と懐かしむ。
○…忘れられない切明さんの言葉がある。『アメリカが悪いのではなく、戦争が悪い。広島は軍都で、戦争で使うものを作って、私たちは何も知らず日の丸を振って兵隊さんたちを送り出していた』。原爆の被害だけでなく、その平和への願いを次世代に繋いでいくため、強い決意で活動を続ける。
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