相模原市は11月28日、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の一種であるPFOSとPFOAの2024年度の調査結果を発表した。継続監視地点は10地点のうち9地点で暫定指針値を超過し、新たに追加した8地点のうち3地点で超過した。市は「対応の見直しを検討する」としているが、市民団体からは「発生源を追及し、具体的な対応を実施すべき」という声が上がっている。
有機フッ素化合物(PFAS)は水や油をはじき、熱や薬品に強いといった独特な性質があるため、撥水剤や表面処理剤、消火剤、コーティング剤などに用いられる化学物質。ただ、環境中で分解されにくく、生物の体内に蓄積するため、現在では国内外で製造・使用が規制されている。
全国の河川や地下水から相次いで検出され、海外でも問題となっている。日本国内では環境省が2020年に水道水や河川での水質管理上の暫定目標値をPFOSとPFOAの2つの物質の合計で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)と定めた。
南橋本で高濃度
相模原市では21年度から調査結果を公表し始めた。22年度調査では中央区南橋本の地点から暫定指針値の30倍が検出された。市では指針値を超過した地点付近の地下水について飲料水としての利用を控えるように呼びかけている。
今回の24年度調査では、継続監視をしている10地点のうち9地点で超過した。南橋本の地下水では指針値の17・4倍の870ナノグラムを検出。星が丘の地下水と上溝の河川水でも指針値の4倍超となった。
市「見直しを検討」
今回の調査結果を受けて、相模原市は環境省策定の手引きに基づき、状況に応じて対応を見直すことを検討しながら、継続して調査を行っていくとしている。
市環境保全課の担当者は「継続監視の地点は減少する傾向はなく引き続き監視していく。追加地点はある程度超過することは予想されており、8地点中3地点しか超えなかったという印象。この3地点についても来年度以降、引き続き監視していく」と話す。
市民団体「深刻」
相模川流域の環境保護やPFAS問題に取り組む市民団体「相模川さがみ地域協議会」の岡田一慶会長は「相模原市の地下水の汚染は広がっており、深刻に受け止めている。発生源と疑われているところがある。相模原市として地下水のデータをみて概要を知るだけではなく、具体的に発生源を調べる必要がある。具体的な方針が出ていない」と指摘している。
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