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災害弱者 バンダナで支援 105の指定避難所に備え

社会

公開:2024年12月5日

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バンダナの四隅に支援が必要なことを知らせる言葉が記されている(写真上)・スカーフのように羽織り支援が必要なことを周囲に知らせる(同下)
バンダナの四隅に支援が必要なことを知らせる言葉が記されている(写真上)・スカーフのように羽織り支援が必要なことを周囲に知らせる(同下)

 見た目で判断しづらい障害や病気のある人が災害時に支援を受けることができるように、相模原市が「災害時障害者等支援バンダナ」を作った。手助けが必要な時に身に着けて周囲に支援が必要なことを伝える。市内105の指定避難所に備蓄されるほか、12月2日からは市担当課窓口などで希望者に配布されている。

 80センチ四方のバンダナの四隅には「身体に障害があります」「配慮が必要です」「聴覚に障害があります」「視覚に障害があります」と記されている。スカーフのように三角形に折り必要な面を表に出し、背中に垂らして周囲の人に支援が必要であることを伝えることができる。

 市は今年度、障害者の防災・減災対策に重点的に取り組んでいる。家族構成や地域環境に合わせて、避難行動を時系列で整理する行動計画「マイ・タイムライン」の簡易版をリリースしたほか、話し言葉による意思疎通が難しい知的障害者や自閉症の人たちとのコミュニケーションを円滑にすることを目的とした「コミュニケーション支援ボード」を災害時障害者支援物品に加えた。

 さらに、10月には在宅で人工呼吸器を利用している人にとって災害時の停電への備えとなる発電機や蓄電池の購入費用を行政が一部補助する事業を開始。今回のバンダナ作成もこの一環だ。

当事者目線で

 市はバンダナを作成するにあたって市内の障害者団体に聞き取り調査を行い、大きさや色、四隅に記す文言を決定した。視覚障害者が分かりやすいよう、「視覚に障害があります」の部分にはリボンを配した。また、認知症患者や妊婦など、いわゆる「災害弱者」の支援にも対応できるよう、「配慮が必要です」という文言も採用された。

 地震や土砂災害などで家屋が倒壊するなどし、自宅に住めなくなってしまった場合に新たな拠点を見つけるまで避難生活を送る「指定避難所」は現在、市内の小中学校など105カ所が指定されている。今回は全ての指定避難所にバンダナが10枚ずつ備えられた。

 市高齢・障害者福祉課では「過去の災害でも、支援が必要なことを伝える困難さから避難を躊躇することがあったと考えられ、バンダナが備えられることで、不安解消につながれば」と話す。

窓口などで配布

 市は今回バンダナを5000枚作成。避難所に備蓄した1050枚を除いた3950枚は高齢・障害者福祉課(市役所本館4階)や中央高齢・障害者相談課(ウェルネスさがみはらA館1階)などで配布されている。

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