神奈川県立上溝南高校の生物探究部が「第58回全国野生生物保護活動発表大会」で林野庁長官賞を受賞した。相模川支流の八瀬川の調査を通じてホトケドジョウの保全を目的とした活動が評価された。昨年11月27日に環境省で受賞式と発表会があった。2月15日には市内で開かれるシンポジウムに参加し、活動を発表する。
同部がエントリーした「全国野生生物保護活動発表大会」は、環境省と公益財団法人日本鳥類保護連盟が主催し、文部科学省と林野庁が後援する全国大会。今回は全国の小中高の学校から23校の応募があり、環境大臣賞3校、文部科学大臣賞2校、林野庁長官賞2校、日本鳥類保護連盟会長賞2校が選出された。神奈川県内では今回の大会で同部が唯一の受賞となった。
「環境省で発表する当日になって受賞の実感がわいた。本番は程よい緊張感を持って発表することができた。様々な人たちと意見交換をしたり、考え方を共有したりでき、新しい発見があった」と話すのは部長の矢田芭琉さん(2年)。
同部が発表したテーマは「ホトケドジョウの保全活動〜ホトケドジョウをほっとけない‼〜」。部員を代表して矢田さん、栁谷歩さん(2年)、新舘千広さん(2年)、秋田晴香さん(2年)の4人が登壇し、同校の近くを流れる相模川支流・八瀬川で2021年度からモニタリング調査を続けてきた活動内容を発表した。
同部では当初、採取した生物の同定とデータの取得に取り組んできた。22年度からは神奈川県の河川モニタリング調査の県民調査員にエントリーし、県環境科学センターの協力を得て遺伝子情報を用いた「環境DNA調査」にも取り組み始めた。23年度は環境DNA調査を活用し、八瀬川の10地点でホトケドジョウの生息密度分析を実施。24年度は生息密度が高いと予測された地点で実際に採集調査も行った。
今回の受賞を受け、メンバーたちは「専門家の人の協力を得て活動できることは本当に貴重。何気なく活動するのではなく、日々の活動を大事にしていきたい」「1年生の頃は先輩から教わりながらだったが、今では主体的に取り組むようになった」などと話した。
顧問の丹美祐紀さんは「受賞してから生徒たちは刺激を受けたようで、より積極的に取り組むようになった」と話した。
同部は2月15日に相模原教育会館で開かれる「さがみはら生物多様性シンポジウム」(主催=さがみはら生物多様性ネットワーク)に参加し、活動を発表する。
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