田名地区滝自治会 黄色タオルで安否確認 18日防災訓練で初実施
18日に行われた田名の防災訓練で、滝自治会が「わが家は無事ですタオル訓練」と題した安否確認訓練を実施した。訓練は、黄色いタオルを各戸で掲げて無事や生存を知らせるもので、確認負担を軽減できるうえ、実際に救助を必要とする人を知るための手立てにもなる。隣り近所の連携強化も目的の一つだ。市によると、タオルを使った安否確認訓練を自治会単位で行うのは、極めて珍しいという。
訓練の土台となったのが、全国的に広がりを見せる「黄色いハンカチ運動」。ハンカチを使うのが本来のあり方だが、同自治会の訓練では、括り付けやすくするために長タオルを用いる工夫を凝らした。訓練当日は、会員世帯の9割以上が参加。道路から見える箇所に掲出された黄色いタオルを、滝消防団員らが車両巡回で確認して回った。訓練はおよそ30分間行われた。
こうした防災対策の必要性が急速に高まったのは、東日本大震災から1週間後のこと。以前から「黄色いハンカチ運動」を展開していた富士宮市(静岡県)に震度6強の余震が襲った際、住民の安否確認が短時間で済んだと報道されたのを消防団員が知り、同自治会に提案した。その後、定期的に会議が行われ、災害時に近所で安否を確認し合える点、方法がタオルの掲出のみ、といったメリットから実現に向けて準備が進められていった。今回の訓練に先立ち、団員らが各戸に説明しに回ると、住民から「簡単でいい」との前向きな反応が返ってきたことも実施を後押しした。
被災地を中心に広がるハンカチ運動だが、市によると、市内の防災訓練で、同運動にヒントを得た訓練が実施されるのは珍しいという。同自治会では防災意識の向上はもとより、加入促進にも期待を寄せている。大谷章一会長は「他の自治会が防災を考えるうえでの一助になれば」と展望を語った。自治会単位での新たな助け合いの形として、今後も注目を集めそうだ。
|
|
|
|
|
|