青学箱根 努力の高橋 区間賞 亡き姉へ見せた、力強い走り
青山学院大学(相模原キャンパス=淵野辺)の陸上競技部は2日、3日、第89回東京箱根間往復大学駅伝競走に5大会連続18回目の出場を果たし、総合8位の成績でゴールした。復路の8区では、2年生の高橋宗司(そうし)選手=写真が1時間6分46秒のタイムで、同大学歴代2人目となる区間賞に。来年へと繋がる、高いパフォーマンスを見せた。
この成績により、予選会免除で、来年の本大会出場を決めた同チーム。シード権が与えられる10位以内を4年連続で死守したが、原晋(すすむ)監督に笑顔はなかった。
原監督がチームを率いて9年。就任後、初めて出場した2009年の箱根では22位だったが、その後は回を重ねる毎に実力をつけてきた。「同じ8位になった3年前は嬉しかったんですが。もうシード獲得じゃ満足できないチームになりました」と原監督は肩を落とした。最高成績を飾った昨年の5位以上を目指し、選手は粘りの走りを見せたが、スタートの1区で18位と出遅れ、それが最後まで響いた結果となった。
その一方で、今回、目覚ましい活躍を見せたのが8区を走った高橋選手。初めての箱根出場となったが、力強い走りでたすきを繋いだ。監督は大会後、「(高橋のような)センスで走るのではなく、コツコツと努力を積み重ねてきた選手がこういういい成績を残してくれたのは、チーム全体が成長している証」と、高橋選手の走りを称讃した。昨年の箱根駅伝の2区で区間賞を獲得した、4年・出岐(でき)雄大(たけひろ)選手(今回は10区)に続く、快挙となった。
高橋選手は宮城県東松島市出身。入学直前の春に、故郷が被災。仙台湾に面する街は津波による被害も大きかったという。高橋選手は実姉・沙織さんを亡くした。「入学してからしばらくは、『宮城に帰りたいな』とかずっと思っていた。けれども、僕ができることは故郷を心配することではなく、駅伝を精一杯頑張ることだと気付きました」。当日は、高橋選手の両親が上京。8区の難所である遊行寺(藤沢市)の坂で、沙織さんの遺影を手に息子の懸命の走りを観戦していたという。「走り終わった後は、『よかったね』と父と母が声をかけに来てくれた。地元の友達からも、たくさんメールがあって、嬉しかったです」と、高橋選手は初の晴れ舞台を振り返った。
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