市病院協会 「潜在看護師」の復職を支援 即戦力化で地域医療充実
結婚や出産、子育てを理由に退職した「潜在看護師」の復職を支援しようと、相模原市病院協会(黒河内三郎会長)が主催して10月26日(日)、相模原看護専門学校(南区)で技術研修会が実施される。県下では横浜市や川崎市などですでに行われているが、市内では初の試み。慢性的な看護師不足の中、経験やノウハウを持つ即戦力が医療現場に復職できるきっかけを作ることで、地域医療の充実に繋げていきたい考え。
「潜在看護師」とは、看護師資格を持つものの、結婚や出産、子育てを理由に現場を離れ、その後未就労の人をさす。その数は全国で約71万人いるとされており(2010年度時点)、市内だけでも3500〜4000人に上るといわれている。少子高齢化の進展や医療の高度化に伴い、看護師不足が叫ばれている近年では、潜在看護師の復職が要員不足解消のカギになるとされている。
こうした中、同協会では昨年度、看護師の復職支援へ向けた委員会を設立。市内の35病院へ看護師確保に関するアンケート調査を実施し、それによれば、准看護師や助産師などを含む看護職員の数が十分に足りていないと回答した病院もあったという。市内の看護師不足の問題を重く受け止めた市も、2年前から看護師不足の解消に向け協議を進め、今年2月、医療のあり方を考える医療懇話会では看護師確保に向け積極的に支援に乗り出すことを明言。市との共催で研修会を開催することとなった。
研修会で実技指導
今年6月には研修会に先駆け、看護師の有資格者を対象に就職相談会を実施。現役の医療従事者らが復職への不安を持つ参加者と個別相談を行ったほか、働き口となる市内の病院も紹介された。10月に開かれる研修会では、各病院の臨床指導者らが講師となり、注射や採血などの基礎技術の確認を目的とした実技指導が行われるほか、最新医療機器も紹介される予定。相談会や研修会を通して有能な人材を掘り起こしていくことで、現役の医療従事者の負担軽減に繋げ、さらに地域医療の充実を図っていく考えだ。同協会では「技術研修会を復職への契機にしてもらい、医療現場の要員不足解消につながれば」と話している。
技術研修会は10月26日(日)午前10時半〜、相模原看護専門学校(南区新磯野)で行われる。先着20人(要事前申し込み)。子ども連れの参加も可(託児施設有り)。 詳細および問い合わせは、同協会【電話】042・755・0531へ。
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