県立高校教育改革 弥栄と相模原青陵 統合へ 20年度めどに準備進める
神奈川県教育委員会が14日に公表した「県立高校改革実施計画(I期)【案】」によると、弥栄高校(弥栄)と相模原青陵高校(南区新磯野)が2020年を目途に統合することがわかった。統合後は弥栄高校の敷地・施設を活用する方針で、両校は今後統合に向け入学生募集のあり方など、調整に向けた準備を進めることとなる。
県教育委員会では少子化社会の中で生徒に望ましい教育を推進する目的で、県立高校の再編・統合の検討を進めていた。
15年1月には県立高校の再編・統合などの重点目標を定めた「県立高校改革基本計画」を公表。その中で、2029年には公立中学校卒業者数が14年時点から約9千人減少することが見込まれており、そうした変化に対応する形での再編・統合の必要性が盛り込まれていた。加えて、同年9月に発表された「県立高校改革実施計画(全体)【素案】」では県内を「横浜北東・川崎」「県央・相模原」など5地域に区割りし、各区域内での再編・統合を進めることを提示。16年から27年までの12年間で県立高校を現在の142校から20〜30校程度削減する方針を打ち出していた。
そして今回初めて具体的な校名が公表された高校改革の実施計画は、16年からの1期4年間を対象に、改革実現に向けた具体的な計画として策定。10校1分校を6校に再編・統合する方針が示される中で、県央・相模原地域では弥栄高・相模原青陵高のみが対象になった。弥栄高は2008年に旧弥栄東高と旧弥栄西高が、相模原青陵高は2010年に旧相武台高と旧新磯高が統合して誕生した高校であり、ともに誕生から10年未満での再統合発表という形になる。
統合後は、弥栄高の敷地・施設を活用し、現在の弥栄高が持つ国際科、理数科、芸術科を廃止し、単位制による普通科、音楽科、美術科、スポーツ科学科による運営を予定している。統合時期は2020年4月を想定し、相模原青陵高では17年に18年度の入学生の募集を停止するなど両校で統合に向けた準備が進められる。両校が選ばれた理由について県教育委員会は、両校ともに単位制でのカリキュラムを組んでいること、生徒の学習環境を重視したことなどを挙げ、「両校の特色を生かした学校づくりをしていきたい」と統合後の構想について話した。
統合の知らせに両校は
実施計画の公表があった14日、相模原青陵高では生徒に通知を出し、保護者向けの資料も配布した。統合対象に選ばれたことについて同校の杉山肇副校長は「急な話でびっくりしている。今後の具体的な話が出てくるのを待って対応したい」と話した。弥栄高でも同日、学校のHPに統合に関する資料が記載してある旨を学内メールと校内放送で生徒に知らせた。同校の坂本万里校長は「統合後も両校の特色を生かした学校づくりをしてほしい」とコメントした。
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