2013年11月にフィリピンを襲ったスーパー台風「ヨランダ」によって、同国がレイテ島を中心に壊滅的な被害を受けた際、日本から多くの支援を受けたとして、相模原在住のフィリピン人団体が14日、感謝の思いを伝える大規模な交流会を開いた。会場となった総合学習センターでは、フィリピン大使館や市の職員が駆けつける中、日比両国の伝統芸能が披露されるなど文化交流が盛大に行われた。
「物資だけでなく、たくさんの手紙が届いた。その気持ちが嬉しい。日本人の皆さんへのお礼の気持ちを伝えたい」。レイテ島出身の語学講師、武田・ダサル・リカさん(緑区西橋本在住)は感謝の思いを口にする。武田さんは相模原に住む約100人のフィリピン出身者らと組織する「相模原フィリピーノコミュニティー」で、交流会を企画した。
同団体は、フィリピンの被災以来、現地へ衣服や物資を届けるなどの活動を実施してきた。その様子がメディアで報道されると、日本全国から日用品や応援メッセージが届いたという。 相模原市においては、食品工場や介護施設などの職場に従事するフィリピン人も多く、武田さんは「ヨランダの事だけでない。日本政府や日本人の皆さんにはいろんな際に助けてもらっている。日ごろの感謝の気持ちです」と話す。職場の雇用主や同僚、日本人の友人たちなど多くの人に感謝の意を伝えたいとコミュニティのメンバーで企画をはじめた。
フィリピンの台風被災から3年6カ月という歳月を経て、わずかながら現地に回復の兆しが見えてきたことが開催への機運を高め、実現への運びとなった。
復興前進も設備面に課題
交流会には来賓として、フィリピン大使館の役員も出席。レイテ島出身のイメルダ・マルコス元大統領夫人からメッセージも届いた。文化交流の催しでは、フィリピン側が鮮やかな衣装で伝統的なバンブーダンスや歌を披露。そのお返しとして地元の市民団体は日本舞踊や和太鼓、キッズダンスのパフォーマンスで応じた。
会の中盤では、レイテ島の災害時の映像と、各地からの支援によりその後改善した島の様子が伝えられた。武田さんは「皆さんのおかげで徐々に清掃がされてきて、最低限の建物が少しずつ建ってきた」としながらも「学校や病院の設備、下水道の整備はまだまだ。かつての美しい緑もない」と現状を訴え、これからの課題について「できることなら孤児のためのセンターが必要。年老いた男性の被災者は入所する施設もない。日本の投資家や企業にはぜひフィリピンへ進出して欲しい」と更なる支援を呼びかけた。
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