市内に住む外国人向けに市が作成し、このほど9カ国語版のうち4カ国語版が更新された「くらしのガイド」について、周知の面で課題があることが本紙の取材でわかった。
同ガイドは生活をする上で必要な情報を様々な言語で記載し、市の公式ホームページ上で公開されているが、配布などはされていないため、存在自体知らないケースも少なくないと考えられる。
ガイドは、市内に住む外国人が日々の暮らしを送る上で支障をきたすことがないようサポートする目的で作成されたもので、英語、中国語、韓国・朝鮮語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、タガログ語、カンボジア語、ベトナム語の合計9カ国語版を展開。このうち英語、中国語、韓国・朝鮮語、タガログ語の4カ国語版が今回更新された。ガイドには、3区の紹介や在留のための手続きの方法、国民健康保険制度、介護保険制度のほか、電気・ガス・水道の利用方法、緊急時の対応の仕方などが掲載されている。内容は9カ国語版すべて同じで、基本的には、制度の変更や人口などの数値の変化に応じて毎年3カ国語版ずつ更新されている。
目に留まる仕組みづくりを
市内への新住民への対応を巡っては、通常、転入の手続きをすると、同じく市内の基本情報がまとめられている冊子型の「ナイスガイドさがみはら」が配布されるが、「くらしのガイド」は外国人が転入の手続きをした際に配布されるなどの仕組みはない。市担当課では、ガイドの周知不足を課題として挙げた上で、善後策を検討。市内の外国人住民のサポートや相談の受付、多文化共生社会の実現のための活動を協働で行っている「さがみはら国際交流ラウンジ」の認知度向上を目的に、国籍を問わず転入者を対象に配布されるチラシ中にガイドの紹介を盛り込むことを予定。外国人の目に触れる機会を多くつくることを狙う。市担当課は「これを機にガイドを知ってもらうことで、外国人が生活をする上で役に立ち、困りごとを解消する一助になれば」と話している。
同ラウンジのスタッフによると、これまで外国人住民がガイドを活用しているという声はほとんど聞いたことがないという。ラウンジに寄せられる相談の中には、ゴミの出し方を巡ってのトラブルや各種書類の提出方法などガイドに記されている案件もあるといい、チラシを通してガイドの存在を知り、活用してもらうことを期待しているという。
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