数ある幼稚園の中からわが子を通わせる園を選ぶ際、仕事との兼ね合いを考えるお母さん、お父さんも多いのでは。そこで今回は、共働きで幼稚園に通わせている市内在住のお母さん、岡山佐和子さん、津田由加里さん、山崎麻里子さんに、幼稚園を選ぶ時のポイントや自身の体験談などを聞いた。
読み書きや読書、体操など様々なカリキュラムを用意している園に惚れ込み、仕事を持ちながら、自宅からやや距離があるものの通わせる決断をした岡山さん。息子が家の中で元気に遊ぶ姿から、体を動かすことが好きだろうと考えていたため体操にも力を入れている同園を選んだが、入園してみると、意外に本を読むのが好きだということがわかったという。「いろんなことをやらせてくれる園だったから色んな選択肢があってよかった」と笑顔。幼稚園は、家庭だけではわからない子どもの性格や興味を引き出す機会になるのかもしれない。一方で、小学校に入学すれば、必然的に勉強をすることになるからと「思いっきり遊べる」園を選んだという津田さんと山崎さん。その分、入学後苦労するという話も聞くが、「『遊びの中で頑張る力が身に付く』と聞いて安心した」と津田さんは話す。
「我が家の方針」に合うか
働きながら幼稚園に通わせることについて、岡山さんは「最近は、年の初めに『年間予定表』をくれるのでそれに沿って仕事を調整することもできるし、早朝保育や延長保育がある園も多いので、いわゆる『9時5時』の仕事なら、幼稚園に通わせられるのでは」とその可能性を話す。一方、園によっては給食を導入しているところもあり、共働き家庭にとってはメリットのように思えるが、津田さんは働きながらも「食にはこだわりたかったから」と毎日お弁当をつくる日々を送っているという。働きながら子どもを通わせる家庭のために様々な制度を用意している園も多いが、「我が家の方針」に合うのか、考えることは怠ってはならない。
結婚するまでは看護師としてフルタイムで働いていたが、出産を機に現在の勤務形態にしたという山崎さん。「家のことも子育ても仕事も全部上手くやりたい」。その思いを叶えるためには「今のバランスがちょうど良いかな」と話す。その時にしかできないことが多々ある幼少期。子どもの成長をしっかり見届けるためにも、今は仕事をセーブし、子どもに時間をかける時期だと考えているという。「子どもたちが大きくなってから自分のキャリアアップを考えても良いかなと」。岡山さんも、限られた時間しか預けられない幼稚園に通わせているからこそ、「もっと仕事がしたい」という気持ちを「今は子どもといる時間を大切にする時期」と前向きに捉えられていると、働きながら幼稚園に通わせるメリットの一つを語る。
「家事も育児も仕事も」。女性なら一度は抱えたことがあるこの葛藤をどうクリアするか。幼稚園に通わせるというのもその難題を解決する一つの選択肢なのかもしれない。