現場での保育の質向上を図ろうと、保育士や幼稚園教諭らを対象に市が行っている「相模原市保育者ステップアップ研修」が2年目を迎えた。手厚い内容が好評の一方、現場の人手不足から受講のしにくさを指摘する声も上がっている。
共働き世帯の増加により保育需要が高まる中、2013年に市内で87カ所だった認可保育所は、18年には135園と48カ所増加している(認定こども園含む)。こうした状況を受け、市では保育の質を担保し職員の資質向上をめざして昨年度から同事業を始めた。
研修ではキャリアステージや職に応じ保育者として求められる知識や技術を座学や実習で学ぶ。参加は任意で無料だが、児童虐待やアレルギー疾患の対応、職員のメンタルヘルス管理や他職種との連携方法など内容は多岐にわたる。
市によると、初年度の参加者はのべ5千人に上り、受講者からは「小・中学校まで見据えた長期的な支援方法が学べた」「実践的な研修で、子どもとの触れ合いに生かせそう」という感想が寄せられた。実際に昨年度、受講者が研修内容を自園に持ち帰り、園内で研修会を開いたケースもあったという。
一方、人手不足による受講のしにくさや職員の多忙化を懸念する声も上がっている。(一社)相模原市幼稚園・認定こども園協会の川崎永会長は、「保育業界の発展に役立つ良い取り組みだが、平日の日中開催など現場が人手不足の中、どのように研修を受けてもらうかが課題」と話している。市保育課では「開催時間を午前、午後、夜間など増やすことなどが参加しやすさにつながるのでは。職員の長期的なフォローアップも含め、研修内容を検討していきたい」と話している。
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