東京2020オリンピック・パラリンピックで、日本全体で大会を盛り上げ、大会後に各地にレガシー(遺産)を残すことを目的に実施されている「日本の木材活用リレー〜みんなで作る選手村ビレッジプラザ」事業。
相模原市は全国63自治体(県内は他に秦野市)とともに参加し、選手村への木材の提供に向けて準備を進めてきた。昨年12月、佐野川から原木を切り出し、長竹の製材工場で乾燥、製材を進め、8月20日にプレカット加工のため千葉県の加工業者への搬送を行った。
今回提供されたのは、およそ4トントラック1台分となる8㎥のスギ。木材は柱、梁、屋内床、フェンスなどに使用される予定。実際に使われた時、選手の目に留まる位置・高さに10cm×7cmの大きさで『相模原市』『Sagamihara City』の印字がされる。
津久井産材の素材生産量は2015年、戦後に植えられた津久井地域のスギなどが伐採適齢時期を迎えたことから、それまでの2500㎥前後から4447㎥と飛躍的に伸びた。その後は、少しずつ減り、18年度は3730㎥にまで落ち込み、津久井産木材の価値を高めるためブランド化と、需要の拡大が急務となっている。
市は、大会終了後に解体し返還された木材を、ベンチやテーブルとして有効活用する他、モニュメント化して設置することも検討する。津久井経済課では「津久井産材は北丹沢の恵まれた自然に育まれ木目が緻密。また、虫が少なく丈夫で良質な木材と言われる。全国に津久井産材を発信する好機とするとともに、大会の遺産として有効活用していきたい」と話した。