街角図書館「オリオン」を設立した 安西 祐太さん 横浜市在住 31歳
「皆が暮らしやすいまちに」
○…4月にオープンしたリハビリデイサービスの軒先に図書室を作った。地域の人から寄贈された本は約300冊。高齢者から中学生までが立ち寄り、思い出の本や初めて触れる本の話題に花を咲かせる場となっている。「検索もできない、欲しい本も手に入らない『不便利』な図書室だけれど、不便利はコミュニケーションが生まれるきっかけになる」とその光景に目を輝かせる。
○…「皆が暮らしやすいまちをつくりたい」。そう考えていた矢先、新型コロナウイルスが人々を襲う。感染拡大に伴い、市民一丸となって自粛に努める一方で、頭をよぎったのは家にこもりきりになることで居場所を失ったり、運動量が減ることで健康被害を引き起こす危険性。そこで思い立ったのが図書室の設立だった。自宅で楽しめて、借りたら返しに来なくてはいけないため運動の契機にもなる。「この状況でも地域の人のためになる、ぴったりの存在」と笑顔を浮かべる。
◯…サッカーに夢中になっていた中学時代。練習中、右足を複雑骨折する大怪我を負った。手術、そして入院。折れた心を励まし、寄り添ってくれたのが理学療法士だった。半年にわたる地道なリハビリの末、スパイクを履き、ピッチに戻れた。しかし長期のブランクは埋めがたく、サッカー選手の夢は断念。その後は新たな夢に向けてまい進し、今は理学療法士として活躍する。
○…皆が暮らしやすいまちのために必要と信じる「人とのつながり」を作り出すため、構想を練る毎日。仕事の傍ら、見分を広めようと市内のまちづくりイベントにも精力的に顔を出す。「自分も誰かのためになりたい」。忙しい日々の中、その熱い思いが夢に向かって進む自身を突き動かす。
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