水や有機物などを含む小惑星リュウグウでのサンプル採取により生命起源に迫るミッションに挑んでいる、小惑星探査機はやぶさ2が積んだカプセルがいよいよ日本時間12月6日午前2時頃に地球に帰還し、オーストラリア(豪州)の砂漠に着陸する。大詰めを迎えたはやぶさ2ミッションの今後の進行を紹介する。
はやぶさ2はリュウグウを離れ、イオンエンジンで調節しながら地球に近い軌道を保ち、順調に地球に近づいている。軌道修正は5回行われ、11月26日に実施した3回目の運用によって着陸予定の豪州・ウーメラ砂漠上空での大気圏突入コースに乗せた。津田雄一はやぶさ2プロジェクトマネージャも「当機は地球への着陸コースに乗りました。これよりウーメラに向け徐々に高度を落として参ります」とコメントした。だが、ここで最も重要になってくるのがカプセル分離だ。
はやぶさ2は4回目の軌道修正をした後、5日の午後2時から3時にかけ、カプセルを離す。カプセルはほぼ探査機の軌道のまま大気圏に再突入するが、そのままでは探査機自体も地球に再突入してしまうため、カプセルを分離した1時間後に5回目の軌道修正を実施。地球に近い軌道に再び乗せる形で再突入を回避する運用が行われる。
パラシュートも
分離されたカプセルは制御機能がないため、分離には高い精度が求められる。突入時にはカプセル表面が約3000度の高温に達し火球となって明るく輝く。その後、地球から約10Kmの高度で耐熱材から切り離され、サンプルが入っている本体はパラシュートを開いてそのまま落下。6日の午前2時から3時頃には砂漠に着陸する見通しだ。