第23回学校華道インターネット花展で関東ブロック賞を受賞した 鈴木 美咲さん 水郷田名在住 18歳
花と向き合う
○…3度目の正直で関東ブロック賞を受賞した。これは最優秀、優秀賞に次ぐもので、全国6千近くの応募作品の中で県内では唯一の入賞となった。作品のイメージは秋の月。石化エニシダの曲線を生かし、静かで穏やかな秋の夜を表現した。一報を聞き、「驚きました。後輩がいる手前、ノミネートされたらいいなとは思っていましたけど」と控えめに顔をほころばす。
○…華道との出合いは3年前。相模原総合高校には華道部があり、体験を通して「奥が深い」と入部を決めた。最初は右も左もわからなかったが、用意された花材を剣山に挿すのに、「基本は三角形」「花の表情を読み取る」「花が一番綺麗に見えるように」という講師の教えを忠実に守り、めきめきと上達。始めて1年にも満たなかった2年前には、出瓶した作品が同展で入賞まであと一歩である「ノミネート」に残った。
○…自宅の庭の手入れを一手に引き受ける祖母と、よく花の苗を一緒に植えた。「水をあげていると、だんだん可愛く思えてくる」。花屋で売られている切花も綺麗だが、その花が自然の中でどんな風に育つのかにも興味がある。今回の作品も、エニシダが本来もつ曲線を存分に魅せたい、と脇枝を根気よくなびかせた点が評価された。
○…「花や草木に関わる仕事がしたい」と、この4月から藤沢にある花や造園業などに関わるプロを育成する専門学校に通う。「4年制の大学も勧められたけど、やりたいことがある以上、自分には回り道に思えた」。華道で大切なことは、「花とじっくり向き合い、一番美しく見える角度や挿し位置を探し当てること」。自身もまた、一番輝ける場所を探す道の途中なのかもしれない。
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