米で人気のレース「ナスカー」で今年初優勝したレーシングドライバーの 尾形 明紀さん 中央区出身 49歳
速くなりたい 14歳の頃のまま
○…アメリカではメジャーリーグよりも人気のあるという自動車レースのナスカー。コースによっては時速300キロを超え「ぶつかるのも当たり前」。ダイナミックな展開が魅力と話す。一時期は資金面での不安やスタッフとの信頼関係の構築の難しさから「このままじゃ優勝できない」と焦りもあったが、トップカテゴリーの一角を担うレースで今年初優勝。それを皮切りに今年、5回の勝利を手に入れた。
○…深謀遠慮よりはまず実行。何のツテもない状態でナスカーの本場・ノースカロライナに渡った。アメリカの中でもとくに保守的な土地柄。外国人というだけでも珍しがられた。そこで「郷に入っては郷に従え」とばかりに現地になじむ努力もしてきた。「日本だとあまり飲まないのに、あっちだと炭酸水ばかり飲んでますね。本当に同じ人間なのか?というくらいに」
○…中央区にある実家の隣がバイク屋で「幼いころからそこのお兄さんたちが遊んでくれた」。14歳になると、彼らの間で流行していたモトクロスに誘われ、相模川の河川敷を走るように。上達し、速くなることが楽しくて「免許がないと(公道を)走れないから2時間くらい押して通った」。その後、ナスカーの存在を知ると憧れ、それに近いレースが日本で行われていたので参加。優勝もし、それがきっかけで本場への挑戦、渡米へとつながった。
○…今年、優勝以上に嬉しかったのがファン投票で決まる「モストポピュラードライバー」に選ばれたこと。現地に受け入れられていることが、結果として出たことが嬉しかった。今は頂点のカテゴリーへの参戦も視野。「モトクロスを始めた頃のまま。単純に速くなりたい。その思いは今も変わらない」
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