相模原警察署と相模原防犯協会は、特殊詐欺を防ぐため、亀ヶ池八幡宮と協力して御朱印を作成し、4月20日に祈願祭を行った。
同署管内の特殊詐欺被害は昨年58件、約8359万円。今年に入ってからは4月24日までに13件の被害が出ており、昨年同時期を上回るペースで発生している。こうした被害を食い止めようと、同署が考案した。
同署では特に被害に遭いやすい高齢者向けに詐欺防止のチラシを配ってきたが、捨てられてしまうことも多かったという。そこで生活安全課の相原健児課長が高齢者には神社仏閣を大切にする人が多いことに注目。亀ヶ池八幡宮に打診し、今回の取り組みに至った。
祈願祭には警察関係者ら約30人が参加。祈りや舞が捧げられた。亀ヶ池八幡宮の根岸信行宮司は「御朱印が市民にいきわたり、安心安全に暮らせるように」と話した。
御朱印は1000部作成され、特殊詐欺防止を促す台紙とともに配布される。電話機のそばなど、日頃目につく場所に置くことで、詐欺防止の意識を常に持ってもらう目的がある。市役所では特殊詐欺に関する相談に来た人へ配布しており、今後は公民館などにも掲示・配布する予定だ。
相原課長は「詐欺はひとごとではない」と警告し、「詐欺電話は『会社で損害を出してしまった』といった、人には相談しにくい内容でかかってくる。慌てずに電話を切り、通報と家族への事実確認をしてほしい」と呼びかける。