政治参加や主権者意識について生徒が考えるきっかけを――。相模田名高校(平田智則校長)で6月12日、全校生徒に向けたシチズンシップ教育講演会が開催された。
講師を務めたのは、慶應義塾大学SFC研究所上席所員の西野偉彦さん。18歳選挙権や主権者教育、若者の政治参加を専門分野として研究している。
講演では、日本の投票率などの現状をデータで示した上で「マイ争点」(自分ならどんな分野の政策を重視するか)を考えるワークなどを行い、西野さんは「国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、判断し、行動していくことが大切」と生徒たちに語りかけた。
参加した生徒からは「今の社会を大きく見るため、ニュースや新聞をみたい」「簡単に出来るものから少しずつ行動していくことが大切だと思った」などの声が聞かれた。同校シチズンシップ教育プロジェクトを担当する後藤南津恵教諭によれば「選挙に行こうと思った」という生徒も多かったという。
独自の取り組みも
同校は2022年度に神奈川県の「シチズンシップ教育」教育課程研究開発校に指定された。
シチズンシップ教育とは「他者と協力しながら社会の一員として主体的に課題に取り組む姿勢を身につける教育」。神奈川県教育委員会は指導用参考資料で「法に関する教育」「政治参加に関する教育」「経済に関する教育」の3領域と、それらに関わる「モラル・マナーに関する教育」の4領域を示している。
同校ではそれら4領域に「主権者教育」を加えた5要素をもとに計画を立て、同校独自の取り組みとして、昨年からすべての教科でシチズンシップ教育に関する検証授業を実施している。そのほか、社会科見学などの課外授業にもシチズンシップ教育を取り入れているという。
コロナが5類に移行した今年度は「地域の人とも交流を深めるなど、さらに発展した教育を行っていけたら」と後藤教諭は話している。
さがみはら中央区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|