障がい者サッカー
2018年におよそ20人でスタートしたチームは昨年40人を超え、今年は70人に迫る勢いという。相模原を拠点に活動する障がい者サッカーチーム「FCオルテンシアアクティブ」(南区下溝)のことだ。
「やはり選手達自身がSNS等で色々発信したり友達を誘ったり、保護者の方々が周りに話してくださったり、そのような広がりが大きいのではないでしょうか」。監督の佐栁慶さん(NPO法人アクティブスポーツ副理事長)は増加の要因を分析する。広々とした大学のグラウンドで汗を流すことができ、スポンサーの支援により「会費は無料」という点も大きい。ただ、「いつも勝ちにいく」という真剣勝負を心がけるチームの方針も魅力のひとつであることに間違いはない。6月からリーグ戦が始まり、チームは昨年2位だった悔しさを胸に優勝を狙っている。
仲間できてうれしい
「体力がついた。仲間ができた」。キャプテンの中村雄大選手はチームに入ってよかったと喜ぶ。
藤沢市在住の中村選手は軽い知的障がいがあり、特別支援学校に通っていた。アニメ「キャプテン翼」の影響でサッカーをやりたいと思ったのは高校生の時。社会人になっても続ける中、相模原市で活動するチームの存在を知り、入団した。ポジションはキーパーで「試合に出ることができない時でも、自分ができることを精一杯やる」と話す。
中村選手は、日々暮らす中でのハンディキャップについて「あるかもしれないが気にしないようにしている」と言い、「支えてくれる人はたくさんいる」と笑みをこぼす。「これからもずっとキャプテンでいたい」と力を込めた。
「一緒にやる」
一方、ホームグラウンドとして借りている淵野辺の國學院大學相模原キャンパスグラウンドでの試合の際、ラインマンを務めるのは、グループチーム「FCオルテンシアJY」の中学生たちだ。チームが掲げる「共生社会の実現」のため、こうして障がい者と関わりを持つ機会を設けている。代表を務める小島光顕さんは「一緒にやることが大切だと思います」と話す。スポーツの力での実現を信じている。