分身ロボットOriHime(オリヒメ)を活用した障がい者就労が4月から中央区内で実施されている。富士見のあじさい会館にあるハンドメイドショップバオバブでは身体が不自由なため外出が困難な県職員、みさきさんが在宅でオリヒメを遠隔操作して接客に当たっている。また神奈川県の「ともに生きる社会かながわ憲章」の説明などの業務にも取り組んでいる。
オリヒメは株式会社オリィ研究所が開発した分身ロボット。カメラやマイク、スピーカーが搭載され、インターネットを通して操作することができる。障がい者のテレワーク業務は事務作業が多い。オリヒメを使うことで、利用客と双方向のコミュニケーションをとりながら働ける。
みさきさんは高校1年生の時、自己免疫性体位性頻脈症候群と筋痛性脳脊髄炎と診断された。なかなか仕事を見つけられなかったというが、現在は神奈川県の会計年度任用職員として在宅勤務をしている。「お客様や納品に来るスタッフとお話しできて嬉しい。動きを交えてコミュニケーションをとれるのも、オリヒメの素晴らしいところ」と話す。
オリヒメはこれまで、平塚市や小田原市でも活用されてきた。みさきさんがオリヒメを使って学校で講演を行ったこともある。県担当者は「障がい者の新しい社会参加の形を県内に広めたい。『できない』で終わらないように」と話す。