パリオリンピックのスケートボード女子ストリートで金メダルを獲得した吉沢恋(ここ)選手が8月3日、地元相模原市の本村賢太郎市長と面会し、晴れ舞台での活躍を報告した。14歳らしい素顔を覗かせながらも次の目標を「連覇」と断言。市長に「市内に屋内型の専用パークを整備してほしい」とお願いする場面もあった。
吉沢さんは現在、相模原市内の公立中学校に通う3年生。この日は母校近くの小山公民館(中央区向陽町)で本村市長と面会した。
吉沢選手は首に金メダルをかけ、スケートボードを手に日本代表の赤いジャージ姿で会場に登場。待ち受けた本村市長から花束と市のマスコットキャラクターを受け取り、祝福を受けた。
吉沢選手は「表彰台に上った時、嬉しさと安心感があふれてきた。自分の力を出し切れた」と振り返り「金メダルにはこれまで頑張ってきた分の重みがある」と話した。
大会前にクラスメートから応援メッセージが録音されたぬいぐるみが贈られたという。「みんなの応援で緊張がほぐれ、力になった」と話した。
パリでの食事について話が及ぶと「美味しいものもあったが、自分は日本食が好き。お母さんの甘口のカレーが一番おいしい」と笑顔を見せた。また「宿題をパリに持って行ったけど時間がなくてできなかった。宿題がまだ残っているけど、取材とか沢山の日程が組まれているので合間を縫ってやらないと」と中学生メダリストならではの苦悩を打ち明ける場面もあった。
スケボーのまちへ追い風なるか
吉沢選手の地元には、相模原市が2007年に開設した小山公園ニュースポーツ広場があり、本格的な練習に打ち込めるスケートボードエリアが備わる。パリオリンピックと東京オリンピックに出場した白井空良選手のほか、藤澤虹々可選手や伊佐風椰選手ら数々の有名選手が練習を積んできた場として知られる。
兄の影響で7歳からスケートボードを始めた吉沢選手もこの広場で練習に打ち込んできた。
こうした市内出身スケーターの活躍を背景に相模原市では昨年7月、麻溝公園(南区麻溝台)に新たにスケートボード場を開設した。また小山公園ニュースポーツ広場は今秋からリニューアル工事を実施する。
本村市長はこの日、吉沢選手がパリに出発する前にも「金メダルを取ったら屋内型パークの整備を検討してほしい」と言われたことを明かした。「集中と選択を掲げている中、市民のためになるのかを第一に考えなければならない」とした上で「子どもと同じ世代の中学生から要望されれば、心にささるものがある」と話した。
相模原市では「夢COCOプロジェクト」を立ち上げ、屋内型施設の整備やスケートボードのすそ野を広げる取組などを検討するという。
吉沢選手は「これから地元のパークで一生懸命滑っていきたい。次の世代につなげられるよう自分自身が頑張っていきたい」と話した。
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