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水郷田名宗祐寺 檀家ら故人に思い馳せる 送り盆の催し「送魂の夕べ」

文化

公開:2024年8月22日

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大切な人への思いや感謝をしたためた手紙を丁寧にかがり火に投入する住職(写真上)・ランタンが揚がり本堂は幻想的な雰囲気に包まれた(同右)
大切な人への思いや感謝をしたためた手紙を丁寧にかがり火に投入する住職(写真上)・ランタンが揚がり本堂は幻想的な雰囲気に包まれた(同右)

 水郷田名の龍澤山宗祐寺(永保貴章住職)で8月16日、火を灯し先祖の霊を送り出す送り盆の催し「送魂の夕べ」が開かれた。「お盆で帰ってきたご先祖様を近くで感じてほしい」。初の開催となった催しには、住職のそんな思いが込められている。

 台風7号の影響で開催が危ぶまれる中、開催を決断したこの日の催しは今年1月に他界した前住職、永保固紀さんの新盆供養法要からスタート。息子である貴章さんが経を唱えた。

 固紀さんは生前、ゴールデンウィークに相模川の上空を数多くの鯉のぼりが群泳するイベントとして注目を集めた「泳げ鯉のぼり相模川」(2019年で終了)の実行委員長や県私立幼稚園連合会会長を歴任。市民文化表彰も受けている。

天国へのラブレター

 天国へ旅立った大切な人へ伝えられなかった思い、感謝の気持ちを手紙に―。境内へ続く坂道の途中に「天国へのラブレター」ポストが設置されている。この日は檀家らが思いをしたためた50通ほどの手紙を、住職がかがり火の中に1通1通投入し天国へ送り届けた。

 住職も先代への思いを手紙をしたため来場者を前に朗読。「私は私なりに考えてやっています。これでいいと思いますか。聞きたいことが沢山あります」などと心の内を明かし、「もしももう一度あなたに会えるなら、たった一言伝えたい。『ありがとう』」という言葉で締めくくった。

 今後もこの取り組みを続けていく方針で、同寺の檀家でなくても手紙を投函することができるという。

 この日は国境を越えて世界で幅広く支持されている日本人シンガーソングライター・KOKIAさんが本堂でミニライブを開催。「奇跡の歌声」で紡ぐ詩に感銘し目頭をおさえる人も見られた。最後には万灯供養としてランタンが揚げられ、堂内は幻想的な雰囲気に包まれた。

KOKIAさんが本堂で「奇跡の歌声」を披露した
KOKIAさんが本堂で「奇跡の歌声」を披露した

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