相陽中学(南区磯部)などを拠点に練習する軟式野球チーム「相陽クラブ」が9月21日、第16回全日本少年春季軟式野球大会神奈川県予選で優勝した。今夏に続き2度目。
この大会は中学野球の「3大大会」のひとつとされ、県内400チーム以上ある中学軟式野球部とクラブチームが出場する。県予選では各地区予選を勝ち上がった計16チームが出場し、上位2チームが全国大会へ進む。
2度逆転、勝負強く
同クラブの特徴は攻撃重視型。県予選では全4試合で平均8得点以上をあげている。
チームの強みを「ピンチやチャンスに物おじしないところ」と分析するのは主将を務める荒井楓人選手(小山中2年)。地区予選から合わせて2度の逆転サヨナラ勝ちをしている。
象徴的だったのは、強豪・西中原中(川崎市)戦。1点を追う最終回裏、荒井選手が同点タイムリーを放ち逆転勝利につないだ。「ベンチから『お前が決めろ』といった声が聞こえてきて、期待に応えなければいけないと思った。(投手の)松本が好投してくれているから、出来るだけ自分が決めようと考えていた」と振り返る。
3月に開催される全国大会に向けて「全国で勝ち上がれる、自分たちのスタイルを突き通せるチームを作り全国に挑みたい」と抱負を語った。
クラブ移行時間、指導者増
同クラブが結成されたのは2023年8月。相陽中の野球部顧問を務めていた内藤博洋さんを中心に有志の教員4人で立ち上げた。
背景には国が進める教員の働き方改革などで、部活動の活動時間が減ったことにある。相模原市教育委員会が示す部活動指針でも、活動時間を週4日以内、平日2時間程度、朝練習無しなどとしている。
内藤さんは「学校行事や委員会などもあり、平日練習は2時間もとれない。子ども達が思いっきり野球ができる場を作りたかった」と設立の経緯を語る。設立当時、在籍していた同中の野球部員全員が同クラブへ移籍したという。
現在の部員数は35人で5人のコーチが指導に当たる。大半が相陽中以外の生徒で、八王子市や町田市など市外からも集まる。練習場所は相陽中や横山公園などのナイター設備のあるグラウンド。平日は2時間、週4日確保する練習時間の大部分は攻撃に充てている。
内藤さんは「指導する大人が増え、選手に目が行き届くことも大きい。子ども達が部活のときよりも、よりイキイキと野球に打ち込めていると感じている」と手応えを話す。
全国大会は3月、岡山県で開催される。
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